高木経産副大臣は、27日、福島原発 山側の凍土遮水壁工事は28日までに全ての凍結管(1264本)の設置が終わり、冷媒(ブライン)を送る冷凍設備も9月7日までに完了させると語りました。
ただ4月から行っている凍土壁の凍結試験では凍結にムラがあり、いまだに完全な凍土壁が作れずにいます。それがいつになれば完全凍結するのかも分からないので、いまのところ工事が完了しても凍土壁が直ちに完成するという状況ではありません。
なお、28日、その凍結試験に使っている冷凍機30台のうちの3台が漏電事故を起して停止したということです。
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第一原発の山側凍土遮水壁 9月7日までに完了へ
福島民報 2015年7月28日
東京電力福島第一原発の汚染水対策の柱となる凍土遮水壁をめぐり、政府は27日、山側の遮水壁の本格凍結の準備が9月7日までに完了する見通しになったと発表した。しかし、本格凍結を始めるには原子力規制委員会の認可が必要。さらに、前段の試験凍結の終了時期の見通しも立っておらず、準備完了後すぐに本格凍結を開始できるかは不透明となっている。
27日にいわき市で開かれた政府、東電による廃炉・汚染水対策現地調整会議で政府の原子力災害現地対策本部長の高木陽介経済産業副大臣が示した。同対策本部によると、山側の凍土遮水壁の凍結開始に向けて原子炉建屋周辺地下に設置する凍結管などは計1264本。28日までに全ての設置が終わるという。その後、冷却した冷媒(ブライン)を送る準備などを9月7日までに整える。
規制委は本格凍結の認可の前提として、建屋周辺の井戸「サブドレン」からくみ上げた地下水を浄化して海に放出する計画に関して、県や漁業者など地元関係者の理解を得ることなどを条件に挙げている。サブドレンは地下水位を調整する役割も担っている。
このほか、東電は福島第一原発の海側にある2、3号機トレンチ(電源ケーブルなどが通る地下道)で高濃度汚染水を抜き取る作業が7月中にも終了する見通しになったと明らかにした。
建屋側遮水壁の冷凍機停止 福島第1原発
東京新聞 2015年7月28日
東京電力は28日、福島第1原発の汚染水対策として1~4号機の建屋周囲の地盤を冷凍する「凍土遮水壁」の冷凍機全30台のうち3台が停止したと発表した。同日午前8時半ごろ、構内の電源盤から地面への漏電を伝える警報が発生しており、東電が関連を調べている。
東電によると、警報から約10分後、作業員が構内の電源ケーブルから白煙が出ているのを見つけた。白煙は消え、原子炉の冷却に問題はないという。
東電は4月から凍土遮水壁で試験的に凍結を実施。トラブルで止まるのは今回が初めてという。広報担当者は「直ちに解凍することはない」としている。 (共同)