米国「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン氏が9日、都内で記者会見し、川内原発などを再稼働する前に、使用済み核燃料プールの核燃料を可能な限り、乾式貯蔵施設に移すべきだと訴えました。
福島原発事故の際に、最上階が爆発した4号機でプールの冷却水が失われと燃料が露出して、大量の放射性物質が外部に放出される危険が指摘されましたが、その危険性は実は全ての原発においてテロ攻撃を受けたり大地震に襲われれば生じるものです。ライマン氏の主張はそうした事態に備えなければならないとするものです。
乾式貯蔵は、燃料プールに一定期間貯蔵して自然崩壊による発熱量が小さくなった使用済み核燃料を、乾式容器(キャスク)に納め(1基当たり数十本可能)、それを喚気設備を持つコンクリート製の倉庫に貯蔵する方法です。
現行の水没貯蔵式よりも安全であることは確かなので、再稼動の問題とは別に速やかに取り入れるべきでしょう。
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再稼働前に乾式貯蔵を 米科学者がプール燃料懸念
東京新聞 2015年7月9日
米国の科学者らでつくる「憂慮する科学者同盟」のエドウィン・ライマン氏が9日、東京都内で記者会見し、九州電力川内原発(鹿児島県)などを再稼働する前に、不測の事態に備えるため、原子炉建屋の使用済み核燃料プールの燃料を可能な限り、乾式貯蔵施設に移すべきだと訴えた。
東京電力福島第1原発事故の際、建屋が爆発した4号機でプールの冷却水が失われる危険があり、露出した燃料から大量の放射性物質が外部に放出される懸念が高まった。
事故の教訓を生かすため、ライマン氏は再稼働する前に、地震やテロ攻撃でプールが破損し冷却が止まる事態に備える必要があると強調した。(共同)