福島原発で2014年度に働いた作業員のうち、被ばく線量が20ミリシーベルトを超えたのは992人で、前年度の1.5倍に増加しました。
最大は協力企業の作業員で39.85ミリシーベルトで、東電社員では29.5ミリシーベルトでした。
東電広報部は、作業員数が13年度に比べて大幅に増えたほか、「線量の高い建屋周辺での除染やがれき撤去などの作業が増えていることも要因」と説明しています。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
高線量被ばく1.5倍に=年20ミリシーベルト超
-14年度の福島第1作業員・東電
時事通信 2015年5月9日
東京電力福島第1原発で2014年度に働いた作業員のうち、被ばく線量が20ミリシーベルトを超えたのは992人で、13年度と比べて1.5倍に増加したことが9日、東電の資料で分かった。作業員の被ばく線量は5年間で100ミリシーベルト以下と定められており、このペースが続けば、長期の連続勤務ができない人が増える恐れがある。
東電によると、14年度に被ばく20ミリシーベルト超だったのは東電社員が11人、協力企業の作業員が981人だった。最大は東電社員で29.5ミリシーベルト、協力企業の作業員で39.85ミリシーベルト。
一方、13年度に被ばく20ミリシーベルト超だったのは660人。東電社員が31人、協力企業の作業員は629人だった。いずれの年度も外部被ばくによるものだという。
被ばく作業員の数は、14年度が2万695人、13年度が1万4746人だった。平均はそれぞれ4.99ミリシーベルトと5.25ミリシーベルト。第1原発作業員の総被ばく線量を示す集団線量に換算すると、14年度は前年度比で33%増えている。12年度と13年度はいずれも前年度比で減少していたが、増加に転じた。
第1原発では、14年度の作業員数が13年度に比べて大幅に増えており、被ばく者数増加の一因となっている。ただ、20ミリシーベルト超の高線量被ばくの増加率は被ばく作業員全体の増加率より高く、東電広報部は「線量の高い建屋周辺での除染やがれき撤去などの作業が増えていることも要因」と説明している。
14年度は第1原発で死傷したり、熱中症にかかったりした作業員数も13年度の2倍の64人に上った。