NHK NEWS WEB 2015年5月1日
東京電力福島第一原子力発電所で昨年度、死亡したり、けがをしたりした作業員は64人と、前の年度から倍増したことが分かりました。
経験が浅い作業員が大半を占めることから、東京電力は訓練施設を設けるなどして状況を改善したいとしています。
東京電力によりますと、昨年度、福島第一原発では▽廃炉作業中に1人が死亡したほか、▽重傷が6人、▽休業を伴う軽傷が6人、▽それ以外の軽傷が36人、▽熱中症になった人が15人で、合わせて64人が死傷したり体調を崩したりしました。
前の年度は死者1人を含めて32人だったことから、死傷者などの数は1年で倍増したことになります。
この中には、作業員がタンクから転落して死亡したケースや、機械に手や足を挟まれてけがをしたケースなどが含まれていて、特に福島第一原発での作業経験が1年未満の人が47人と、全体の7割以上を占めているということです。
福島第一原発では、汚染水タンクの増設などで昨年度は作業員の人数が1日当たりおよそ7000人と、前の年度の倍以上に増えていて、東京電力は、経験の浅い作業員が増えたことが死傷者の増加の背景にあると分析しています。
そのうえで、防護マスクをしたり何重にも手袋を着けたりする特殊な状況での作業を訓練する施設を新たに作るなど、作業員の教育を強化して状況を改善したいとしています。