ほぼ全町民が避難する福島県楢葉町の避難指示解除に向けて、政府が開いた住民懇談会は10日、計12回の日程を終えました。出席者からは町内の放射線への不安や、生活用水を得ている町内のダム湖の底の高濃度放射性物質への懸念の声があがりました。
4月から夜間も滞在できる準備宿泊が始まりましたが、準備宿泊の登録者数は283世帯630人で、町民の1割にも達しません。
政府は7月上旬にも解除が可能か判断する方針です。
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楢葉町の住民懇談会終える 町内の放射線に不安の声
朝日新聞 2015年5月10日
東京電力福島第一原発事故でほぼ全町民が避難する福島県楢葉町の避難指示解除に向けて、町民向けに政府が開いた住民懇談会は10日、計12回の日程を終えた。出席者からは町内の放射線への不安や、生活用水を得ている町内のダム湖の底の泥から検出されている高濃度の放射性物質への懸念の声があがった。
懇談会は約8割が暮らすいわき市のほか、県内の仮設住宅や東京都などで開かれ、延べ478人が出席した。政府の原子力災害現地対策本部の担当者は「解除への課題はおおむね把握できた。対策をまとめる」としている。
町では避難指示解除に向けて夜間も滞在できる準備宿泊が4月から始まっており、9日時点で町民約7400人のうち準備宿泊の登録者数は283世帯630人。政府は宿泊期間終了後の7月上旬にも解除が可能か判断する方針だ。