2015年5月24日日曜日

ツバメの巣広範囲で放射性物質

 23日のNHKが、山階鳥類研究所が21の都道府県で採取されたツバメの巣を調べたところ13の都県で放射性物質が検出され、研究所ではツバメの繁殖に変化がないか今後も調査を続ける必要があるとしていると伝えました。
 
 日本野鳥の会によれば、福島原発事故の翌年(2012年5~10月)からツバメの奇形(部分白化:白斑点、尾羽の不均一)が報告され(白斑点はチェルノブイリでも確認されています)、2012年5~10月の間に上げられた有効な報告1534件中、全国平均で部分白化は5・7%、尾羽の不均一個体は3・1でした。
 またツバメの巣の放射能は、浪江町で最高138万ベクレル/kg-wetなどと極めて高いものでした。(wet:湿潤ベース。乾燥ベースだともっと高くなる)
 
 なお、巣から50㎝以上離れれば、自然放射線量のレベルまで下がり人体への影響は無視できるものと考えられるので、ツバメの巣を落としたりすることのないようにとのことです
(以上、後掲「ツバメを取り巻く放射性物質の状況(日本野鳥の会)」より)
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ツバメの巣広範囲で放射性物質 
NHK NEWS WEB 2015年5月23日
原発事故による鳥類への影響を調べようと山階鳥類研究所が21の都道府県で採取されたツバメの巣を調べたところ13の都県で放射性物質が検出され、研究所ではツバメの繁殖に変化がないか今後も調査を続ける必要があるとしています。
 
千葉県我孫子市にある山階鳥類研究所は平成23年から翌年にかけて、野鳥の愛好家の協力を得られるなどした21の都道府県でツバメの巣を197個採取し分析を行ってきました。
その結果、巣を採取していない栃木県以外の関東のすべての都県と、東北から北陸、中部地方にかけての合わせて13の都県で採取された150個の巣から原発事故に由来すると見られる放射性セシウムが検出されたということです。
福島県では、92個の巣のすべてで検出されたほか、福島第1原発から370キロ余り離れた静岡県内でも検出されたということです。
ツバメは土や木の葉などを材料に巣をつくりますが、研究所によりますと巣の放射性セシウムの濃度は周辺の土壌の濃度に比例する傾向がみられるということです。
研究所は放射性物質による鳥類への影響はまだよく分からないことも多いとして、ツバメの繁殖に変化がないか今後も調査を続ける必要があるとしています。
 
 
ツバメを取り巻く放射性物質の状況(日本野鳥の会)
 (抜粋)
 2012年5月より集めはじめた、異常の見られるツバメに関しての情報は、10月末までに1,534件の有効な情報が得られました。全国平均で部分白化は5.7%、尾羽の不均一個体は3.1%の発生率で見られました。そのうち福島県内(176件)では、部分白化0.6%、尾羽の不均一個体0%、隣接する宮城県内(31件)では、部分白化6.5%、尾羽の不均一個体3.2%で、いずれも全国平均と比べて高い傾向はありませんでした
 (中 略)
2012年9月に警戒区域内で採取された巣からは、数値にばらつきがあるものの、浪江町で最大138万ベクレル/kg、大熊町で最大100万ベクレル/kgもの放射性セシウムが確認されました。
(中 略)
 
表 警戒区域内のツバメの巣の線量

出典:平成24年度野生動植物への放射線影響に関する意見交換会要旨集(環境省)