2015年5月22日金曜日

住宅提供終了、自主避難者から反対の声

 福島県は、福島原発の事故後、政府の指示を受けずに避難した「自主避難者」への住宅の無償提供を2016年度17年3月末で終える方針です。
 それに対して避難者や支援団体20日、反対署名約4千筆を政府に提出しました。
 住宅提供の長期延長を求める約4万5千人分の署名を今月15日県庁に提出したばかりでした。
 
 自主避難者は、年間被曝量が20ミリシーベルト以下であれば居住できるという政府の判断で避難指示を出さなかった地域からの避難者のことですが、20ミリシーベルト以下であれば居住できるという考え方がそもそも間違っています。
 放射能汚染のためにこの先もずっと帰還出来ない人たちなので、他の災害とは区別して考えるべきですし、もしも県がこの先は出来ないというのであれば、一昨年度以降年間数千億円の純利益を上げている東電に費用を負担させるように、県や政府が働きかけるべきです。
   (関係記事)
5月20日 東電の原発慰謝料「18年3月分まで」 政府・与党検討 
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自主避難者ら住宅無償提供の延長求め署名提出 政府に
朝日新聞 2015年5月20日
 東京電力福島第一原発の事故後、政府の指示を受けずに避難した「自主避難者」への住宅の無償提供を2016年度で終える福島県の方針に対し、避難者や支援団体が20日、反対署名約4千筆を政府に提出した。「提供を延長してほしい」と訴えており、近く県にも署名を出す。
 
 4年前の震災と原発事故後、県は災害救助法に基づき、県内外の民間アパートなどを無償で提供してきた。期間は原則2年でこれまで3回延長されたが、県は政府の避難指示の対象外の避難者については、17年3月末で無償提供を終える方向で調整中だ。
 放射線量への不安から、小学生の子ども2人と福島県いわき市から埼玉県に避難している河井加緒理さん(33)は「急に住宅の支援が打ち切られると先が見えなくなってしまう。自立に向けてもう少し頑張りたいので、提供を延長してほしい」と語った。
 
 
住宅提供終了、自主避難者から反対の声
朝日新聞 2015年5月21日
 「命綱を切らないでほしい」。原発事故に伴う自主避難者向けの借り上げ住宅などの無償提供をめぐる問題で、20日に都内で集会を開いた自主避難者や支援者たち。県の2016年度での提供終了の方針を批判し、撤回を求めた。
 
 「福島市には(放射線量が高い)ホットスポットが点在している。汚染土が身近に山積みになっているのは普通の暮らしではありません」。子どもとともに、京都市に自主避難している女性はそう訴えた。
 今月15日、住宅提供の長期延長を求める約4万5千人分の署名を出すため、避難者の団体とともに県庁を訪れていた。その後、県が提供終了に向けて自治体と調整していることを朝日新聞の報道で知り、ショックを受けたという。
 東京電力が自主避難者に払う賠償金は、避難指示区域内の人に比べて少ない。そのため、多くの自主避難者にとって、無償の住宅提供は生活を支える頼みの綱になっている。
 県が避難者全世帯を対象に2月に実施したアンケートでは、避難指示区域外の回答者のうち、住宅について「入居期間の延長」を望んだ人は46.5%。13年度の44%から微増している。
 生活で不安なことを聞くと、「生活資金」を選んだのは54.8%で、13年度(61.7%)よりも減ったものの半数を超えており、避難指示区域内の人の回答(36.3%)よりも割合が高かった。
 
 自主避難者らを支援する河崎健一郎弁護士は「打ち切りは早すぎるし、当事者不在の手続きになっている」と述べた。