来年11月に40年の運転期限を迎える日本原電 東海第2原発が新規制基準に基づく主要安全審査に事実上合格しました。同原発は沸騰水型(BWR)で東日本大震災で被災した原発では初めてです。
原電は延長運転については「社内決定していない」ため手続きはしないままで、延長運転の前提となる特別点検を先行的に実施しました。実際に運転を延長するためには今年11月末までに申請し、運転期限までに工事計画とともに延長の認可を得る必要があります。
審査では防潮堤の構造などが問題となり、当初案の盛り土から安全性の高い鉄筋コンクリートの防潮壁に設計を変更するなどしました。
(関係記事)
6月29日 東海第二原発 運転延長するには防潮堤の地盤安全対策を
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
東海第2原発の安全審査終了 被災原発で初 40年超運転へ
産経新聞 2017年10月26日
原子力規制委員会は26日の審査会合で、来年11月に40年の運転期限を迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県)について、新規制基準に基づく主要安全審査を終了した。近く事実上の合格証となる審査書案を取りまとめる。沸騰水型(BWR)の原発では東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に次いで2例目で、東日本大震災で被災した原発では初めて。
原発の運転期間は原則40年と定められ、規制委が認めれば1回だけ最大20年の延長ができる。原電は延長運転について「社内決定していない」としているが、延長運転の前提となる特別点検を実施中。今年11月末までの申請と、運転期限までに工事計画とともに延長の認可を得る必要がある。
審査では防潮堤の構造などが問題となり、当初案の盛り土から安全性の高い鉄筋コンクリートの防潮壁に設計を変更。古いケーブルの難燃化では防火塗料から防火シートで覆う方法へと改めた。
原電は同日、安全対策費が平成26年の申請時に試算した780億円から1800億円に膨らむ見通しを示し、32年度末の工事完了を目指すと発表した。
東海第2原発は大震災で東電福島第1、第2原発(福島県)、東北電力女川原発(宮城県)とともに被災し、津波で非常用ディーゼル発電機を冷却する海水ポンプ1台が水没、使用不能となった。同原発の30キロ圏内には約96万人が居住しており、避難計画の策定も課題となっている。