沸騰水型原発 炉内冷却装置の設置義務化 規制委
毎日新聞 2017年10月18日
東京電力の福島第1原発や柏崎刈羽原発(新潟県)などの沸騰水型原発について、原子力規制委員会は18日、重大事故時に原子炉格納容器の破損を防ぐための新たな炉内冷却装置の設置を義務化することを決めた。国民からの意見公募を経て、年内にも原発の規制基準の規則を改定する。
沸騰水型は格納容器の容積が比較的小さく、冷却機能が失われると炉心温度の上昇で内圧が高まりやすい。現行の規制基準では、放射性物質を除去しながら内部の空気を外部に排気(ベント)するフィルター付きベント装置の設置などを対策として求めている。
この日、規制委が了承した規制基準の規則改正案では、全ての沸騰水型と加圧水型の中でも格納容器の小さな関西電力大飯原発1、2号機(福井県)に対し、格納容器内の水を外部で冷やして循環させながら原子炉の冷却に使う装置の設置を義務付ける。事故時には、放射性物質を放出するベントの前に、まずこの循環冷却装置を使うことを求めている。
循環冷却装置は、沸騰水型として初めて規制基準への適合が認められた柏崎刈羽原発6、7号機で東電が設置を表明し、規制委が有効性を認めて規制に反映させた。審査が大詰めを迎える日本原子力発電東海第2原発(茨城県)ではすでに設置を決めている。
この日の記者会見で更田豊志委員長は「(循環冷却装置は)格納容器を大きくいじることなく冷却手段を増やせる」と説明した。【鈴木理之】