米山隆一知事は12日、日本経済新聞のインタビューに応じ、東電柏崎刈羽6、7号機の再稼働同意には、検証作業が終わらない限りは「手元に判断の材料がない」と話し、検証は可能な限りの速さで進めるものの、検証で浮かび上がった課題が解けるかどうかとそれに要する社会的なコストを明らかにしたのち、動かすか動かさないかの判断は民主的に決める、と語りました。
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新潟県知事、原発事故の検証「世界に耐えられるものを」
日経新聞 2017年10月12日
新潟県の米山隆一知事は12日、日本経済新聞などのインタビューに応じ、県が独自に進める東京電力福島第1原子力発電所の事故原因などの検証に本格的に取り組む考えを示した。東電柏崎刈羽6、7号機の再稼働同意には、検証作業が終わらない限りは「手元に判断の材料がない」と話した。主なやり取りは以下のとおり。
――検証作業でめざすことは。
「野心的なことを言うと、世界の検証に耐えられるものを作っていく。一つ一つの事故過程の検証については(政府などの)事故調査委員会の報告書も出ているが、断片的にすぎない。事故が社会にもたらしたもの、負うべき負担はここで立ち止まって考えるべきだ」
――検証委員会の頻度を増やして早急に結論を出す考えはありますか。
「可能な限りの速さで進めていくことに尽きる。ものすごく頻度を増やすというのも現実的ではない。特に避難計画の検証については市や村との準備などのプロセスがいくつも必要だ。決して遅くしようとはしていない」
――事故原因、健康への影響、避難計画の3つの検証が終了すれば直ちに再稼働を認めますか。
「そうはならない。問題は検証で浮かび上がる課題が解けるかどうかと、社会的なコストの検証だ。そこからは選択の問題になる。(県の検証で再稼働の可否を判断する)前提を出したうえで、動かすか動かさないかは民主的に決める。今の時点で答えは出ていない」
新潟県知事「原発再稼働、検証済まない限り同意せず」
日経新聞 2017年10月12日
新潟県の米山隆一知事は12日、日本経済新聞などのインタビューで、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働について「県としては(福島原発事故の)検証が済まない限り、同意するということはない」と述べた。原子力規制委員会は同原発再稼働の前提となる事実上の合格証をまとめたが、再稼働への地元同意は依然として難しい状況だ。
米山知事は「検証を進める上では社会的なリスク、避難にかかるコストも含めて全体像を統一的に検証をしていく」と指摘。検証期間についても「これから2~3年で変わらない」と述べた。一方で「(検証を)決して遅くしようとはしていない。なるべく早く、可能な限り早く進めていきたいと思っている」と検証作業を急ぐ考えも示した。