2017年10月16日月曜日

泊原発に防潮堤新設へ…地震による液状化対策

 北海道電力は、再稼働を目指す泊原子力発電所1~3号機に、地震による液状化対策として既設の盛り土式の防潮堤を廃し、新たに杭打ち構造の防潮堤を築く方針を固めました。
 これは、安全審査の中で昨年 規制委が地震で地盤が液状化し既存の防潮堤が壊れる恐れを指摘していた(添付昨年10月の毎日新聞記事参照)もので、同社は「液状化はしないと考えているが、さらに安全性を高める」として新設を決めました 
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泊原発に防潮堤新設へ…地震による液状化対策
読売新聞 2017年10月15日
 北海道電力は、再稼働を目指す泊原子力発電所1~3号機(北海道泊村)の敷地に、地震による液状化対策として新たな防潮堤を築く方針を固めた

 原子力規制委員会の安全審査がさらに長引くのは確実で、再稼働の時期も遅れる可能性がある。
 北海道電力によると、既存の防潮堤は盛り土方式で、2014年に完成した。想定される津波の高さ約12・6メートルに対し、最上部は海抜16・5メートルとなっている。
 しかし、安全審査の中で規制委が、地震で地盤が液状化し、既存の防潮堤が壊れる恐れを指摘。同社は「液状化はしないと考えているが、さらに安全性を高める」として新設を決めた。
 新しい防潮堤は、地下の岩盤に杭くいを打ち込んで強度を高める。高さや工期など詳細は今後決めるという。


泊原発 地震で防潮堤壊れる恐れ 再稼働時期大幅に遅れる
毎日新聞2016年10月27日
 北海道電力は27日、再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請している泊原発1~3号機(北海道)について、海側の2本の防波堤(長さ計760メートル)と陸上に設置した防潮堤(同1250メートル)が、地震に伴う津波や液状化で壊れる恐れがあると規制委に報告した。審査が遅れる上、北海道電が今後、追加の安全対策工事をするため、3基の再稼働時期は大幅に遅れる見通しとなった。
 同日の審査会合で、規制委が「審査にはかなりの時間を要する」と指摘したのに対し、北海道電の担当者は来月にも追加工事のスケジュールを示すことを明らかにした。

 泊原発は、海に突き出た2本の防波堤と、海岸部を盛り土などでかさ上げした防潮堤の二重の対策で津波による浸水を防ぐ構造だった。しかし、これまでの審査で、想定する最大の地震の揺れや津波の高さがともに引き上げられることになったため、防波堤は津波で破壊され、そのがれきが原子炉を冷やす海水の取水口を塞ぐ可能性が新たに浮上した。防潮堤も液状化で沈み込む恐れがあるという。

 北海道電は防波堤について「現状では津波に耐えることが困難」として、壊れても事故対策に影響がないかどうかを調べる模擬実験を実施する。防潮堤については今後、地盤改良などの補強工事をする方針だ。【酒造唯】