2017年10月4日水曜日

原発事故で人工透析が…遺族が賠償を求める

「原発事故で治療不十分に」 遺族が賠償求め提訴
NHK NEWS WEB 2017年10月3日
原発事故で福島県広野町から避難し、持病が悪化して亡くなった男性の遺族が、「事故の影響で十分な治療を受けられなかった」として、東京電力に3000万円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
訴えを起こしたのは、東京電力福島第一原子力発電所の事故の当時、福島県広野町に住んでいた遠藤誠さん(当時88)の娘の惠美子さんです。

訴えによりますと、誠さんは原発事故のあと人工透析を受けるため病院を転々とする中で腎臓病の症状が悪化して、事故の翌月、東京の病院で亡くなり、「災害関連死」と認定されました。
惠美子さんは、亡くなったのは人工透析の時間を十分に確保できなかったことや長時間の避難などが原因だとして、東京電力がこれまでに支払った慰謝料などを差し引き、3100万円余りの賠償を求める訴えを東京地方裁判所に起こしました。
惠美子さんは会見を開き、「父は『線路を歩いてでも自宅に戻りたい』と言っていましたが、家族のいない病院で亡くなりました。東電には命の重みを受け止めてもらいたい」と訴えました。

提訴について東京電力は「訴えの内容や主張を詳しくうかがったうえで真摯(しんし)に対応してまいります」とコメントしています。