被災12市町村、居住率2割 原発付近帰還進まず
日本経済新聞 2017年10月3日
福島県や市町村のまとめなどによると、福島第1原発事故の被災12市町村の住民登録数(8月下旬~9月上旬、双葉、大熊両町除く)は約6万7千人で、居住者は約1万4千人(帰還者、出生者、転入者含む)。居住率は2割強となっている。
ただ、居住率は地域によって開きが大きい。第1原発に近い地域の居住率の低さが顕著で、富岡町、浪江町ともに約2%と低い。一方で、田村市の都路地区(約86%)、広野町(約82%)、川内村(約81%)はいずれも安定した住民の帰還状況がうかがえる。
避難指示解除半年を迎えた浪江、飯舘、川俣、富岡の4町村では、比較的第1原発から離れている飯舘村(約8%)と川俣町(山木屋地区、約24%)は富岡、浪江両町よりも居住率は高いが、それでも帰還する住民はまだまだ少ない。
幼い子供を持つ世帯、若い世代を中心に安心して故郷に戻るための施設やサービス、環境づくりに向け、各自治体は模索を続けている。