環境省は28日、福島原発事故に伴う福島県内の除染で生じた汚染土や廃棄物を保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)を本格稼働させました。
県内各地に仮置きされている汚染土の解消が期待されますが、国が確保できた中間貯蔵施設の用地は約4割で、施設もまだ全部は完成していないので仮置き解消にはなお時間がかかります。
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福島原発事故 中間貯蔵施設が本格稼働
毎日新聞 2017年10月28日
環境省は28日、東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染で出た土壌や廃棄物を保管する「中間貯蔵施設」(同県大熊町、双葉町)を本格稼働させた。敷地内に一部先行して搬入し、仮保管していた汚染土壌を、長期に管理できる「土壌貯蔵施設」に投入した。貯蔵の開始で汚染土壌などの搬入が加速し、同県内の生活圏などにある仮置き場の解消につながることが期待される。
稼働が始まったのは大熊町側の土壌貯蔵施設の一部。農地だった場所に穴を掘るなどして整備したもので、約5万立方メートルを貯蔵できる。この日は保管用のフレコンバッグ36袋(1袋当たり1立方メートル)分の草木を取り除いた土壌を、ダンプカーで初めて運び込んだ。今後は1日約500立方メートルを運ぶ。
中間貯蔵施設は、大熊、双葉両町にまたがる第1原発の周辺約1600ヘクタールに環境省が建設を進めている。土壌貯蔵施設は双葉町側にも整備しており、今年度内の稼働を目指している。福島県内で発生する汚染土壌などは推計で最大約2200万立方メートルあり、順次運び込まれる。貯蔵期間は最長2045年3月までで、国はその後、県外で最終処分する方針だが、処分先はまだ決まっていない。【宮崎稔樹】