2013年7月11日木曜日

原発・放射能ニュース 2013.7.11~15

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7.15

トリチウム29万ベクレル 第1原発・建屋近くの井戸地下水 福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発タービン建屋海側の地下水から高濃度のストロンチウムやトリチウムが検出されている問題で、東電は14日、建屋により近い場所に新しく掘った観測用井戸で採取した地下水から1リットル当たり29万ベクレルのトリチウムが検出されたと発表した。
  直近の検査で1リットル当たり41万ベクレルのトリチウムが検出された既設の観測用井戸の地下水と比べ、濃度は低かったが、建屋近くの地下水にまで汚染が広がっている可能性が示された。今回初めて地下水を採取した井戸は高濃度の放射性物質検出後に新設された井戸で、既設の井戸から約13メートル1、2号機のタービン建屋側にあり、護岸からの距離は約38メートル。

7.14

インド南部の原発運転開始 反対運動を押し切り (中日新聞)
【ムンバイ共同】インド原子力発電公社は14日、稼働を控えていたインド南部タミルナド州にあるクダンクラム原発1号機の運転開始に成功したと発表した。東京電力福島第1原発事故の発生後、近隣住民らの反対運動が激化し、運転開始が予定より大幅に遅れていたが、電力不足解消に必要としてインド政府が押し切った。
 原子力発電公社によると、13日深夜、1号機の原子炉内でウランの核分裂反応に成功した。機器の安全性の確認などをした上で、45日以内に南部4州に電力供給を開始する。
 タミルナド州に多く進出する日本企業にも、電力供給が安定するメリットがある。

7.13

排水で原子力機構が謝罪 農業用水に汚染水 福島民友ニュース)
 日本原子力研究開発機構(JAEA)が発注し、南相馬市小高区で行われた除染モデル実証事業で、放射性セシウムを含む水が同区の川に流されていたことについて、原子力機構の石田順一郎福島技術本部福島環境安全センター長は12日、南相馬市役所で桜井勝延市長に経緯を説明、陳謝した。

ボーリング調査開始 中間貯蔵施設候補地で環境省 (福島民友ニュース)
 環境省は12日、楢葉町波倉地区の民有地で、除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設建設に向けたボーリング調査を開始した。ボーリング調査は大熊町に続いての実施で、楢葉町では約2カ月かけて民有地十数カ所で行った後、1~2週間かけて調査結果をまとめ、町や住民に示す。
 
福島原発元作業員が提訴 雇い主に3000万円請求 仙台地裁 (河北新報)
 福島第1原発の廃炉関連作業に従事したが、危険手当や合意した賃金が支払われない上、違法に解雇されたとして、元作業員で東北の40代男性2人が12日、雇い主だった宮城県亘理町の業者に計約3000万円の支払いを求める訴えを仙台地裁に起こした。
 訴えによると、2人は原発事故後の2011年7月、業者と雇用契約を結んだ。福島県広野町のJヴィレッジスタジアムから原発構内などへタンクローリーで軽油を運搬。基本給として1日2万5000円の賃金を受け取ることで合意した。
 原発構内への運搬は放射線被ばくを伴うため、2人は防護服などを身に着け、汚染されたタンクローリーに軽油を入れ替える作業などをしたが、危険手当は支払われなかった。
 基本給についても業者側が賃金をカットし、昨年10月に1日1万6000円への引き下げを通告された。2人は撤回を迫ったが、同11月10日付で解雇された。解雇の理由は明らかにされなかったという。
 
7.12

ヨシノボリから9800ベクレル 環境省、福島の生物調査 (東京新聞
 環境省は12日、福島県の河川や湖、海域で昨年12月~今年1月に採取した魚類や甲殻類、昆虫に含まれる放射性セシウム濃度の測定結果を公表した。南相馬市の太田川で採取したハゼ科の魚「オオヨシノボリ」から、国が定める一般食品の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を大幅に超える1キログラム当たり最高9800ベクレルを検出した。調査は5回目で、これまでと採取した生物の種類に違いはあるものの、環境省は「個体差はあるが、全体的には低下傾向がみられる」と分析。これまでと同様に、海域と比べて河川や湖沼で高かった。(共同)

原発被災者27人が追加提訴 千葉地裁の集団訴訟 (東京新聞)
 東京電力福島第1原発事故で、福島県から千葉県に避難している被災者が、国と東電に「原状回復」や慰謝料などを求めた訴訟で、新たに10世帯27人が12日、千葉地裁に提訴した。
 原告側弁護団によると、千葉地裁での原告数は3月に提訴した8世帯20人と合わせ、計18世帯47人となった。同様の訴訟は、札幌、福島、東京、名古屋の各地裁と福島地裁いわき支部でも起こされている。
 提訴後、福島県浪江町から千葉県鎌ケ谷市に避難している原告の男性(83)は「多くの人が悲惨な避難生活を強いられている。全ての原発をなくしてほしい」と語った。 (共同)

南の井戸でもストロンチウム、福島第一の地中汚染拡大か (朝日新聞)
 【木村俊介】東京電力福島第一原発の建屋近くの地下水から放射性物質が検出されている問題で、東電は12日、これまで高濃度の放射性物質が検出されていた観測井戸より200メートルほど南にある井戸からもストロンチウムなどの放射性物質が検出されたと発表した。建屋の海側の地中で放射性物質の汚染が拡大している可能性がある。
 
3号機東側に汚染拡大か 地下水から1400ベクレル (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発タービン建屋東側の地下水から高濃度のストロンチウムやトリチウムが検出されている問題で、東電は12日未明、3号機建屋東側の観測用井戸からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり1400ベクレル検出されたと発表した。
  地下水の採取日は11日。前回の4日に採取した水の濃度は検出限界値未満だった。これまで高濃度の地下汚染水は1、2号機東側で検出されてきたが、3号機東側にも汚染が広がっている恐れがある。
  3号機東側の井戸は2011(平成23)年5月に汚染水が漏れ出た配管の近く。東電は1、2号機東側の汚染との関連は不明としている。 

スズキから1000ベクレル 3番目の高数値 (東京新聞)
 (茨城)県は十一日、日立市沖のスズキから一キロ当たり一〇〇〇ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。東京電力福島第一原発事故後、二〇一一年四月に北茨城市のコウナゴから同一三七四ベクレル、同一一二九ベクレルが検出されて以来、三番目に高い数値になった。
 スズキは既に国の基準値を超え、出荷制限が指示されている。

除染予算、6割使われず 国が東電に配慮、市町村に制約 (朝日新聞)
 福島県の市町村が行う除染のために国が昨年度用意した復興予算2550億円のうち、6割以上の1580億円が使われず、今年度に繰り越されたことがわかった。国が最終的に費用を負担する東京電力に配慮して除染方法を厳しく制約していることが要因とみられ、安倍政権が公約する「除染の加速」との整合性が問われる。【関根慎一、座小田英史】 

福島県 農業用水に汚染水340トン 原子力機構が計画了承 (東京新聞)
 日本原子力研究開発機構が発注した除染モデル実証事業(2011~12年)で、中堅ゼネコンの日本国土開発(東京)が福島県南相馬市で生じた汚染水340トン(同社推計)を、農業用水に使う川に流していたことが11日、共同通信の調べで分かった。
 原子力機構は、川に流すことを知りながら、排水経路に触れていない国土開発の計画書を了承、地元に提出していた。
 南相馬市は「排水の説明はなかった。排水されたことも知らなかった」と反発。福島県も説明は受けていないとしている。放射性物質汚染対処特措法(特措法)は正確な情報伝達を求めており、環境省は調査に乗り出した。 (共同)

7.11

福島第一3号機付近で限度の100万倍セシウム (読売新聞)
東京電力は11日、福島第一原子力発電所3号機タービン建屋近くにある深さ約30メートルの立て坑内の汚染水を調べたところ、国が定めた許容限度の約100万倍にあたる放射性セシウム137を検出したと発表した。
港湾付近の井戸から放射性物質が検出されている問題で、原子力規制委員会は、立て坑の汚染水の漏えいを原因の一つではないかと考えており、汚染水を早急に抜き取るよう指示している。
調査は10日に行われ、水深1メートルの場所で、セシウム137が1リットル当たり1億ベクレルだった。6月までに調査が行われた2、4号機の立て坑内の濃度と比べ、10~1000倍高い。
また、東電は海から約25メートルの井戸で7日に採取した地下水から、ストロンチウム90が同1200ベクレル検出されたと発表した。

17日から双葉の住民説明会 中間貯蔵候補地の調査 (福島民友ニュース)
 東京電力福島第1原発事故に伴い、除染で出た汚染土壌などを保管する中間貯蔵施設の現地調査について、環境省は17日から、町内に2カ所の候補地を示している双葉町の住民を対象にした説明会を開く。
  対象は双葉町の新山、下条、郡山、細谷の4行政区の住民約800世帯。説明会は28日までの延べ6日間、県内外の9会場で計10回開催する。
  同省は「説明会を通じて調査についての理解を得て、現地調査に入りたい」と話している。

福島第一 漏出汚染水 2種類か 放射性物質、井戸で違い (東京新聞)
 東京電力福島第一原発で海に汚染水が再び漏出している疑いが強まっている。原子力規制委員会は十日、海洋拡散の疑いを指摘し、東電に早急な対策を促した。ただし、各所にある汚染監視用井戸の水に含まれる放射性物質の濃度などの特徴から、二種類の汚染水が漏れている可能性もある。 (清水祐樹)
 五月末以降、1号機と2号機の両取水口の間にある井戸などで、ベータ線を発する放射性物質を高い濃度で検出。奇妙なのはセシウムがほとんど検出されない点だった。
 東電は、一昨年四月に高濃度汚染水が海に漏れた際、一部が土壌中に残ってセシウムを除く放射性物質が地下水に流れ込んだ、と説明。規制委は、建屋地下につながるトレンチ(地下のトンネル)から汚染水が漏れだした、との見解だ。