17日の原子力委員会(内閣府所属)に、広瀬弘忠・東京女子大名誉教授らによる興味深いアンケート調査結果が報告されました。
調査は全国1200人(15~79歳)を対象に今年3月に行ったもので、概要は下記のとおりです。
・原発事故は 「まだ収束していない」 ・・・・・・・・・・94%
・再稼動した場合 福島原発と同様の事故が 「起こる」 ・・・23%
福島原発と同様の事故が 「多分起こる」・・・57% (合計80%)
・日本の原発はどうあるべきか 「直ちにやめるべきだ」 ・・・・・31%
「段階的に縮小すべきだ」 ・・・・54%
・避難を必要とする原発事故が起きた場合
「(おそらく)安全に避難できない」・・・82%
以下に関係記事を紹介します。
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原発事故再発を8割懸念 全国アンケート
福島民友ニュース 2013年7月18日
災害時の心理行動や日本人の危機意識などを調査する民間の安全・安心研究センター(東京都)が行った全国アンケートで、回答者の約8割が原発再稼働に伴い東京電力福島第1原発と同様の事故が起こる懸念を示し、原発存続の方向性に疑問を抱いていることが分かった。センター長の広瀬弘忠東京女子大名誉教授(災害心理学)は背景に国や自治体の原発事故対策が不十分との認識があると分析する。
調査は今年3月4~16日、全国の大都市や地方都市、農村など200カ所を選定し、15~79歳の男女1200人を無作為に選ぶ方法で実施。調査結果は広瀬センター長が17日の内閣府原子力委員会で示した。
各地の原発再稼働で東京電力福島第1原発事故と同程度の事故が起きる可能性について、「起こる」と答えた人は22.9%、「たぶん起こる」は56.8%。「起こる」「たぶん起こる」と答えた人に理由を複数回答で尋ねたところ、「地震・津波・テロなどでいつなんどき事故が起こるか分からない」が83.1%。「核物質を燃料とする原発自体が危険だから」が46.7%、「人はミスをおかすものだから」が36.2%と続いた。
原子力規制委員会が原発事故の対策で設定した原発半径30キロの範囲については「妥当な広さ」が50.3%、「狭すぎる」が41.9%と評価が分かれた。しかし、30キロ圏内の人々に避難を必要とする事故が起きた場合の避難については「おそらく安全に避難できない」「安全に避難できない」が合わせて81.6%を占めた。
原発事故「収束まだ」94% 全国1200人調査
朝日新聞 2013年7月18日
【瀬川茂子】東京電力福島第一原発の事故から2年以上たっても、多くの人が「事故は収束していない」と考えていることが、広瀬弘忠・東京女子大名誉教授らの調査でわかった。17日、内閣府の原子力委員会で報告した。
全国1200人(15~79歳)を対象に今年3月、アンケートを実施した。福島原発の現状について、「収束していない」と考えている人は94%。理由としては「放射性物質の放出が続いているから」などだった。
今後、各地の原発が再稼働したときに福島と同じような事故が起こる可能性について、23%が「起こる」、57%が「たぶん起こる」。理由として、83%が「地震、津波、テロなどでいつ大事故が起こるかわからない」とした。日本の原発はどうあるべきかという質問では、31%が「直ちにやめるべきだ」、54%が「段階的に縮小すべきだ」と回答した。