東電内外の有識者でつくる東電の改革監視委員会(委員長:米国デール・クライン、副委員長:英国バーバラ・ジャッジ 委員は日本人3名)は26日、同社の原子力安全改革プランの監視結果を答申書に取りまとめました。
その中で監視委は同社の原発をめぐる事故やトラブルの対応について「一層の努力を行う必要がある」と批判し、福島第1原発の汚染水をめぐる対応を「その場しのぎ」として、社内の情報共有や危機対応、情報開示の姿勢について社外専門家に意見を求めることを提言しました。
フランス通信によると、デール・クライン委員長は会合のなかで、「福島第一原子力発電所から出た汚染水の海洋流出は、慎重な決定を行なうプロセスが東電に存在しないことを明らかにした」、「東電は危機的な状況において適切な措置をとり、人々や環境を守る能力がない」と批判し、またバーバラ・ジャッジ副委員長も、東電の情報隠蔽に不満を表明しました
こうした東電に対する極く当たり前の批判が、日本人の口からはなかなか表明されないというのは不思議なことです。
東電は自分たちで選定した外国人改革監視委員からも厳しい批判が出たことを真摯に受け止めて、実のある改革を行って欲しいものです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
アメリカの原子力専門家が東京電力を批判
イランラジオ 2013年7月27日
アメリカ原子力規制委員会の元委員長で、東京電力の原子力改革監視委員会のデール・クライン委員長が、東京電力を批判しました。
フランス通信によりますと、デール・クライン委員長は、26日金曜東京で開催された原子力改革監視委員会の会合で東京電力を批判し、「福島第一原子力発電所から出た汚染水の海洋流出は、慎重な決定を行なうプロセスが東電に存在しないことを明らかにした」と表明しました。
また、放射性物質漏洩や放射能汚染に関する情報伝達や情報の透明性が欠けているとして東京電力を非難し、「東京電力は危機的な状況において適切な措置をとり、人々や環境を守る能力はない」と語りました。
クライン委員長は、2名の外国人専門家と、東電の取締役を含む3名の日本人から構成される原子力改革監視委員会に参加するため、日本に招聘されました。
東京電力は、22日月曜、放射能に汚染された地下水の海洋流出を初めて認めました。
東京電力はこれ以前にも福島原発の地下水のサンプルにおける放射性物質の濃度が高くなったことを明らかにしましたが、「汚染水漏洩をコントロールしている」と主張していました。
イギリス原子力公社の会長をつとめる原子力改革監視委員会のバーバラ・ジャッジ副委員長も、この委員会で東京電力の情報隠蔽に不満を表明しました。
複数の専門家は、「福島原発の廃炉は数十年かかり、多くの地域住民はこの地域に帰還することが不可能であると見込まれている」と語っています。