2013年7月6日土曜日

泉田新潟県知事と東電との会談物別れ

 東京電力の広瀬直己社長は5日、柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)の再稼働に向けた安全審査の申請方針を説明するため同県庁で泉田裕彦知事と会談しました。

 泉田裕彦知事は、東電が地元への説明をしないまま柏崎刈羽原発6、7号機の安全審査申請を決めたことを「なぜ急いだのか」と厳しく批判会談は物別れに終わりました

 また県側は、原発の新規制基準で義務付けられたフィルター付きベント(排気)設備の設置の事前了解を求める東電の要請書を受け取りませんでした
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新潟知事が原発再稼働の事前了解を迫る、東電との会談物別れ
産経新聞 2013年7月5日
[新潟 5日 ロイター] 新潟県の泉田裕彦知事と東京電力の広瀬直己社長は5日、柏崎刈羽原発の再稼動問題で会談した。
泉田知事は、再稼働申請を原子力規制委員会に行う前に県の事前了解を得るよう迫ったが、広瀬社長は要請に対して明言せず、規制委の審査と同時並行で県に了解を得る手順に理解を求めた。結局、両者の会談はかみ合わずに物別れに終わった。

<知事、不信感露わに>
新潟県への事前通告なしに2日に東電が取締役会で再稼動申請方針を決定しことに対して、知事は不信感を露わにした。「安全第一の会社が、地元に安全性の説明もせずに申請すると意思決定した事情は」と問い詰め、広瀬社長は「6、7号機の(再稼動の)準備が整った。ぜひ地元には説明させていただきたい」と弁明した。
これに対し、泉田知事は「なぜ(決定を)急いだのか。(規制委の)審査の順番を気にしたのか。年度内の黒字化を意識したか。金融機関の融資を意識したか」と畳み掛けた。広瀬社長は「経営者なので、それは絶えず意識している。3期連続の赤字は避けたい」と返した。
知事は、1年前に下河辺和彦会長が広瀬社長と県を訪問した際に「おカネよりも安全を優先する」と言及したことを挙げて、「安全優先はウソだったのか」と詰問した。 これに対し広瀬氏は、「安全かどうかを確かめてもらうことが今回の申請だ」と述べた。

同知事は会談で、「(規制委に再稼動を)申請してからなど事前了解とは言わない。(東電と新潟県などが結んだ)安全協定上には事前了解とある。約束を守るのか」などと厳しい口調で、規制委への申請前に県の事前了解を得るよう確約を求めた。
これに対し広瀬社長は「規制委の判断基準は出ている。新基準で、いままでにない設備(フィルター付きベント設備)を作る。そうした特殊事情の中で今回、こうした(規制委への)手続きを踏もうとしている。同時並行的に(県にも)検討を進めていただくことは可能なのではないか」と答えた。
30分あまりの会談の最後に知事は、「話がかみ合わないならお引き取りを」と広瀬社長に言い放った。一方、同社長は「知事に何度でも説明の機会をいただきたい」と返答した。

<8日の規制委への再稼働申請は困難に>
広瀬社長は会談後、記者団の取材に応じ、県の事前了解前に規制委に再稼動に向けた安全審査を申請するかどうかについて「何の事前かも議論の余地がある。是非、速やかに地元の県、市、村にご了解いただけるように、(規制委への申請と)同時並行に進められるようにしたい」と述べた。

規制委が定めた新規制基準施行日である今月8日に同原発の再稼働に向けた安全審査を申請するかどうかについて広瀬社長は「正直、難しい」との認識を示した。今後の新潟県との協議について、「できればリターンマッチをさせてほしい」(広瀬社長)としている。 (浜田健太郎)