2013年7月23日火曜日

「被災地に戻らず」が半数 長野県避難者

 長野県に避難した原発事故の被災者は、半数の世帯が「元の県には戻らない」と考えていることが分かりました。他に「戻りたいが時期は決められない」が18%、「見通しがつかない」が26%でした。
 長野県が行ったアンケートに対する回答ですが、要するに、政府や自治体の指導のままに戻ろうと考えている世帯は数%しかいないということです。
 
 政府はこれまで特定避難勧奨地点の基準を年間被曝量20ミリシーベルトに設定し、それ以下の地域から避難した人たちを「自主避難者」として早々に補償を打ち切るという差別を行い、大幅に遅れている地域の除染では、年間被曝量が5ミリシーベルト以下になれば帰宅できるとし、それも被曝は日中8時間で計算するという提案をしてきました。
 被曝量の設定値といい、被曝量の計算方法といい、いずれも信じられないような話です。

 そんな政府の元では、現に不自由な避難生活に耐えている被災者たちは、この先も自分の身は自分で守って行くしかありません。
 本当に救いのないことです。
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「被災地に戻らず」半数 県が避難者に調査
中日新聞 2013年7月21日
 (長野)県は東日本大震災の被災地から県内へ避難する人たちに支援充実のため実施したアンケート結果を公表し、半数の世帯が「元の県には戻らない」と回答したことが分かった。
 五月中旬~六月中旬、郵送の無記名アンケートで実施。県内に避難する四百六十六世帯に送り、二百九世帯から回答があった。
 避難する前に住んでいたのは福島県が74・6%、宮城県が7・2%、千葉県が5・7%。帰郷について「戻らない」と回答したのは50・7%。「戻りたいが時期は決められない」が18・2%。「見通しがつかない」が25・8%だった。
 「戻らない」と答えた世帯に理由を聞くと、64・4%が「既に長野県に移住した」と回答。31・7%が「今後長野県に移住したい」と答えた。
 避難生活により家族の中で「健康状態に変化があった」と答えたのは64・1%。母子で避難している世帯では、87%が「心身または心の変化がある」と回答した。
 阿部守一知事は「調査結果を踏まえ、各部局でさらに必要なことがないか、見直すべきことはないか検討し、支援の充実につなげたい」と述べた。
 アンケートは一一年九月に続き、二回目。(小西数紀)