2013年7月29日月曜日

大飯原発 活断層の判断は9月に

 国内で唯一運転している福井県の大飯原発の断層について、原子力規制委員会の調査団は27日、28日2日間、3回目の調査行いました。規制委は大飯原発の9月まで運転継続を認めていますが、断層と判断されれば当然 運転は停止になります。

 調査終了後 島崎邦彦委員長代理は、運転中の3、4号機が定期検査入りする9月までに結論をまとめるのは困難との見通しを示しました。
 調査団は、今回参加できなかった有識者2人が別日程で現地調査した上で、評価会合を開き活断層について議論します。

 断層調査の一定の見解がまとまるまで規制委は定期検査後の再稼動についての審査を進めない方針です。

 これとは別に、志賀原発周辺の活断層について科学者会議など4団体が26日、27日に行った調査のニュースも、併せて紹介します。
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大飯原発 活断層か来月にも議論へ
NHK NEWS WEB 2013年7月28日
国内で唯一運転している福井県の大飯原子力発電所で、国の原子力規制委員会の専門家会議による3度目の断層の調査が終わり、島崎邦彦委員は、来月にも開く会合で活断層かどうかを議論する考えを示しました。

大飯原発では、原子力規制委員会の専門家会議が27日と28日の2日間、現地に入り、活断層かどうかで意見が分かれている敷地内を南北に走る「F-6」という断層について調査しました。
28日の調査では、3号機の南側で新たに掘られた溝や、F-6断層が地表に表れた敷地北側の山頂にある調査地点に入り、断層が動いた時期や向きなどについて調べました。F-6断層は、その真上に原子炉を冷やす海水を取り込む重要な配管があると指摘されていて、活断層だと判断されると、3号機と4号機は停止を求められる可能性があります。
調査を終えた島崎委員は「北側と南側で見つかった2つの断層がどうつながり、それが安全上重要な施設の下を通っているかがポイントだ」と述べたうえで、活断層かどうかの判断に向けて、来月にも開く会合で議論する考えを示しました。
国内で唯一運転している大飯原発の2基を巡って、規制委員会は、定期検査が始まる9月までの運転継続を認めた一方で、その後の運転の前提となる新基準に基づく審査は、活断層かどうかを判断するまで行わない方針です。

志賀原発周辺に断層多数  科学者会議など4団体調査
しんぶん赤旗 2013年7月28日
 日本科学者会議石川支部、原発問題住民運動石川県連絡センターなど4団体は26、27の両日、北陸電力志賀原子力発電所(志賀町)周辺の海岸部の測量調査を実施しました。新潟大学名誉教授(地質学)の立石雅昭氏の指導のもと、海岸地形の状況を明らかにし、原発周辺の断層の活動性を分析しました。

 4団体と立石氏は、昨年春以降数回にわたり、原発の北9キロ地点の「富来(とぎ)川南岸断層」や原発の東1キロ地点の「福浦断層」を調査し、両断層が活動性の高い断層であることが決定的になったとする調査結果を発表しています。

 今回は、志賀原発の敷地直下を走る断層と海岸部の断層の走る向きが類似していることから、海岸の線状の構造や断層の状況を測量調査し、原発周辺の断層の状況を推測。その上で北陸電力が否定している断層、無視している断層についても存在を立証することが目的です。

 調査では、活動年代の特定は困難なものの、過去に地震が発生したことを示す断層の破砕帯が幅広く見られるなど、断層が志賀原発の海岸側に多数存在することがわかり、原発直下をはじめ、原発の周囲に数多くの断層が存在することが明白になりました。

 立石教授は「海岸部に幅広い破砕帯を伴う断層が多数存在する状況を見ても、原発敷地直下も同様の状況だと推測される。しっかりとした調査を実施し、結果を明らかにすべきだ」と指摘。住民運動としても継続して調査を行う考えを述べました。4団体は28日も同様の調査を実施することにしています。