川内原発の事故に備え、鹿児島県は今年度中に、5キロ圏内で暮らす要援護者と付添人、要援護者らが避難に使うバスの運転手の被曝対策として、放射線の線量計、防護服などの防護資機材を配備することを決めました。要援護者と付添人は約300人分、運転手は約80人分を用意します。
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茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」は、平成11年の臨界事故のあと、敷地内で保管している低レベル放射性廃棄物などについて、周辺住民の理解が得られたとして、臨界事故から15年余りを経て初めて焼却処理が行われます。平成11年9月、ジェー・シー・オーで、核燃料の製造過程で誤った作業を行った結果「臨界」が発生し、作業員2人が死亡し住民などおよそ660人が被曝しました。
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原発5キロ圏防護服など配備へ
読売新聞 2015年01月16日
◆(鹿児島)県が年度内 要援護者らの被曝対策
九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)の事故に備え、県は今年度中に、原発から5キロ圏内で暮らす要援護者と付添人、要援護者らが避難に使うバスの運転手の被曝ひばく対策として、放射線の線量計、防護服などの防護資機材を配備することを決めた。約2000万円の予算で要援護者と付添人は約300人分、運転手は約80人分を用意する。
要援護者とは、体の弱い高齢者や入院患者のこと。事故時に長距離を一気に避難できない人は、放射線の防護措置を施した5か所の屋内退避施設へ一時的に入る。その後、30キロ圏外の医療機関などへ本格的に避難することになっている。
要援護者に配備する資機材は各屋内退避施設に保管し、30キロ圏外へと退避するまでの過程で使ってもらう。避難輸送のバスは民間会社の車両を活用することを想定し、現在、県とバス会社との間で協議中。その中で、資機材の保管場所も話し合うことになる。
臨界事故後の廃棄物を焼却処理へ
NHK NEWS WEB 2015年1月16日
茨城県東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」は、平成11年の臨界事故のあと、敷地内で保管している低レベル放射性廃棄物などについて、来週にも焼却処理を始める方針を固めました。周辺住民の理解が得られたとして、臨界事故から15年余りを経て初めて焼却処理が行われます。
平成11年9月、東海村にある核燃料加工会社「ジェー・シー・オー」で、核燃料の製造過程で違法な作業を重ねた結果、核分裂が連続して起きる「臨界」が発生し、作業員2人が死亡したほか周辺の住民などおよそ660人が被ばくしました。
事故後、「ジェー・シー・オー」は低レベル放射性廃棄物などを敷地内で保管してきましたが、周辺住民の理解が得られたとして今月19日にも新たに設置した炉で焼却処理を始める方針を固めました。「ジェー・シー・オー」は、核燃料加工事業の再開を断念しており、臨界事故から15年余りを経て処理が進むことになります。
焼却処理では、臨界事故前に核燃料を精製する際に使用した油類を最初に焼却したうえで、作業服など臨界事故後に出た低レベル放射性廃棄物の焼却を進めることにしていて、200リットルのドラム缶に換算しておよそ700本分を8年かけて処理する計画です。
「ジェー・シー・オー」は焼却施設には、排気用のフィルターを設け放射性物質が外部に漏れることないとしていて、来月以降、焼却処理の結果を周辺住民に報告する予定です。