2015年1月16日金曜日

泉田知事が東電社長を痛烈に批判した と読売新聞

 泉田新潟県知事14日の記者会見で、東京電力の広瀬直己社長との6日の会談を振り返り、「本心を隠して二枚舌で柏崎刈羽原発の再稼働を進めていく印象が強い」と批判したと読売新聞が報じました。
 国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが柏崎刈羽原発の安全性を調査することについて、「発電所を見ただけで国際基準に合致することにはならないと指摘しました。
 
 泉田知事は、8日付の泉田裕彦のメールマガジンでも広瀬社長との会談について報告していますが、そちらの方はソフトで詳細な語り口となっています。
 
 読売新聞の記事と併せて紹介します。
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知事「本心隠し二枚舌で再稼働」東電社長を批判
読売新聞 2015年01月15日
 新潟県の泉田知事は14日の記者会見で、東京電力の広瀬直己社長との6日の会談を振り返り、「本心を隠して二枚舌で(柏崎刈羽原子力発電所の再稼働を)進めていく印象が強くなるのではないかという感想を持った」と痛烈に批判した。
 
 その理由として知事は、「(安全審査の)申請時に『第三者の目を入れて安全を確保したい』と言っていたが、今回は再稼働に向けた説明をした。最初の趣旨と違ってきている」ことを挙げた。
 一方、知事は、国際原子力機関(IAEA)の専門家チームが柏崎刈羽原発の安全性を調査することについて、「発電所を見ただけで国際基準に合致することにはならないので、それ以上のものでもそれ以下のものでもない」と指摘した。
 
 湯沢町湯沢の信濃川電力所湯沢発電所で建屋の屋根が崩落した問題については、「組織としての管理能力に疑問符が付く」と語った。
 
 
◇「東京電力社長から新年挨拶の訪問を受けました」
新潟県庁発行 泉田裕彦のメルマガ 平成27年1月8日
 皆さんこんにちは!新潟県知事の泉田裕彦です。
 今回は、臨時号「東京電力社長から新年挨拶の訪問を受けました」をお届けします。
 
 1月6日に東京電力の廣瀬社長から新年のご挨拶をいただきました。廣瀬社長とは約1年ぶりの面談でしたが、福島原発事故については、県技術委員会の検証でも疑問が残る中、政府事故調による東電関係者の調書の公開等に否定的で、事故原因の究明に極めて後ろ向きな印象を受けました。
 今回のメルマガは当日の様子を少しご紹介します。
 
 冒頭、廣瀬社長からは、新年の挨拶とともに、福島の事故から4回目の正月を迎えたが、今なお多くの福島の方々に大変不自由な生活を強いていることを大変申し訳なく思っていることや、本県の津南町で土砂崩れを引き起こした可能性のある中津川第一発電所導水路の溢水の原因究明をしていること、懸案の柏崎刈羽原子力発電所の6号機、7号機について少しずつ審査が本格化してきており、県民からも発電所の中の現場を見ていただきたいと思っていること、などのお話がありました。
 
 これに対して私からは、津南町の件に関しては、廣瀬社長がおっしゃったとおり、同じようなことが起きないようにするためには、やはり原因究明が大事で、それがないとまた水が溢れるのではないかという懸念が消えないので、原因究明と再発防止をしっかりやってほしいとお願いしました。
 
 また、福島原発事故も同じことで、原子力規制委員会の田中委員長が言われているとおり、規制委員会の基準というのは、あくまでも最低限の基準であり、事故当事者である東京電力が、やはり福島事故の原因究明をしっかりやることが第一歩だということを先ずお伝えしました。
 
 その中で、東京電力の関係者が、政府事故調の調書の公開に応じていないことや、県の技術委員会での対応を見ても、原因究明に後ろ向きだということを極めて残念に思っていることなどを申し上げました。
 
 機械設備をいかに備えても、人の問題、組織の問題、規則の問題がクリアされなければ、やはりトラブルは起こるわけです。そもそも政府事故調の調書の公開すらしないという形で検証が進んでいって信頼が得られるのかという疑問も付け加えました。
 
 また、例えば、メルトダウン隠蔽の理由についても「空気」という話しかないのですが、誰かが指示しなければそのようなことが起きるわけがないので、やはりこの部分についてもしっかり公表していただかないととても信頼できる組織にはならないと申し上げたほか、まだ事故に対する社内のけじめをつけていないことなどについても指摘させていただきました。
 
 いくつかの指摘について、廣瀬社長からは、県技術委員会においても、引き続き、真剣に対応していきたいことや県技術委員会の場で、事故原因の解明をしていきたいとの考えが示されました。
 
 最後に、繰り返しになりますが、東京電力からは、まず原因究明をしっかりやっていただきたいと思います。今は、福島第一原子力発電所事故の検証と総括ができていないので、まだ安全性の議論をするためのスタートラインに立てない状況にあります。
 
 県民の安全・安心のために、情報が公開され、福島原発事故の原因究明が進む一年を期待したいと思います。