九州電力の瓜生社長は共同通信などのインタビューに応じ、玄海原発の使用済み核燃料について、特殊容器で保管する「乾式貯蔵※」への移行を検討していると明らかにしました。
現在は燃料プールで貯蔵していますが、再稼働した場合プールが3年で満杯になるためです。
※ 福島原発事故では、電源を失い使用済み核燃料を冷やすプールが機能しなくなりましたが、外気で冷やす乾式貯蔵の9基の容器(乾式キャスク:1基あたり約50体の核燃料を収納できる)は問題がなかったとされています。
また16年にも電力小売りが全面自由化されることには、「地域独占の時代は終わり、経営環境が東日本大震災以前に戻ることはない」と強調したということですが、これまでの経過から、経産省の手厚い原発保護政策をあてにしていることは明らかです。
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玄海原発使用済み核燃料 九電、乾式貯蔵を検討
佐賀新聞 2015年01月01日
九州電力の瓜生道明社長(65)は31日までに共同通信などのインタビューに応じ、玄海原発(東松浦郡玄海町)の使用済み核燃料について、特殊容器で保管する「乾式貯蔵」への移行を検討していると明らかにした。現在、水を張った冷却プールで貯蔵しているが、再稼働した場合、プールが3年で満杯になる可能性があるため。
東京電力福島第1原発事故では、津波で電源を失い、余熱を持った使用済み核燃料を冷やすプールが機能しなくなったが、外気で冷やす乾式貯蔵の容器は問題がなかったとされる。瓜生社長は「リスクの少ない貯蔵方式だ。保管にどれくらいのスペースが必要かなどの検討を進めている」と述べた。
2015年は、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向けた取り組みを着実に進めていくと説明。「福島のような事故を二度と起こさないように安全対策を徹底させている。長く止まっていたのでしっかり総点検して再稼働に備えたい」と語った。
また、16年にも電力小売りが全面自由化されることには「地域独占の時代は終わり、経営環境が東日本大震災以前に戻ることはない」と強調。情報通信など異業種との連携も視野に入れた今後5年間の中期経営方針を策定中とした。また、海外を含めた九州以外での電力事業の展開も検討するとした。