昨年暮れの29日、アメリカの「バーモントヤンキー原発」が採算が合わなくなったとして、営業を終えることを決め運転を停止しました。
シェールガスの生産などで火力発電の発電コストが下がるなか、安全基準を満たすうえで必要な設備投資がかさみ、採算が合わなくなったための「経済的な判断だ」ということです。
世界最大の原発保有国アメリカは、ここ数年採算の悪化を理由に廃炉を次々に決めていてこれで5つ目の原発になります。
世界最大の原発保有国アメリカは、ここ数年採算の悪化を理由に廃炉を次々に決めていてこれで5つ目の原発になります。
アメリカは謀略国家として知られ、対外政策では内外のメディアを活用する形で謀略宣伝に余念がありませんが、原発の廃炉については「採算が合わなくなったため」と率直に理由を明らかにしています。それは多分日本のように、産業界・官僚・学界・政界などで構成される「原子力ムラ」が存在しないためでしょう。
それに、日本のように特別の保護や誤魔化しがなければ採算の取れない原発が火力などと伍して生き延びては行けない以上、廃炉になるのは当然の成り行きです。
日本の「原子力ムラ」は福島原発事故が起きても微動もせずに、「原発には採算性がない」という事実もいまだに明らかにされていません。
そして昨年から原発の再稼動と原子力ムラの庇護を目指した方策が、経産省を中心に進められようとしています。
世界一高い電気料から自動的に「振り込まれる」莫大な原発育成資金を手にすることの「旨み」は、この先も決して手放せないというわけです。
この伏魔殿が白日のもとに晒され解体されない限り、「官」を前面に立てた脱原発への抵抗は止みそうもありません。
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米の古い原発 火力コスト減で運転停止
NHK NEWS WEB 2014年12月31日
アメリカ東部にある古い原発が、シェールガスなどで火力発電の発電コストが下がり採算が合わなくなったとして営業を終えることを決め、29日、原子炉に制御棒が入れられて、40年以上続いた運転を停止しました。
営業を終えたのは、1972年に運転を始めたアメリカ東部にある「バーモントヤンキー原発」で、運営する電力会社によりますと、29日、原子炉に制御棒が入れられて運転が停止しました。
この原発は、東京電力福島第一原子力発電所の1号機などと同じタイプで、福島第一原発の事故を契機に地元の州政府などが安全性への疑問から運転停止を強く求めても、一貫して営業を続けてきました。
営業を終えた理由について、電力会社は、シェールガスの生産などで火力発電の発電コストが下がるなか、安全基準を満たすうえで必要な設備投資がかさみ採算が合わなくなったためだとしていて、「運転停止は経済的な判断だ」と説明しています。
原発では今後、廃炉に向けた作業が始まりますが、すべての作業が終わるのは61年後の2075年ごろになるということです。
アメリカは世界最大の原発大国で古い原発が少なくなく、ここ数年は採算の悪化を理由に5つの原発の廃炉が決まり、稼働中の原子炉は99基となっています。