2015年1月9日金曜日

温暖化対策に「原発不可欠」の経産省案に批判が次々

 原発の安全性向上などを議論する審議会で、2050年の目標として原発を「世界の地球温暖化対策に不可欠」と位置づける案を経産省の事務局が示しました。
 それに対して複数の委員から「原子力関係者が作っているとしか見えない」、「50年もこれだけ前のめりに原子力を使うのが大前提なのか」などと批判が続出したため、経産省は「5月までに再検討する」ことにしました。
 
 地球温暖化問題は、「そもそも地球は温暖化しているのか」に始まって、「二酸化炭素が地球温暖化の原因であるのか」についてもさまざまに異論があるところです。
 
 何よりも原発が二酸化炭素を発生させないという主張自体が、それはウラン燃料が「原子炉で核分裂をしている」段階に限定された話であって、ウラン鉱石の採掘に始まって、ウラン235を濃縮・精製し核燃料の形にするまでや、使用済み核燃料を冷却して特別の場所で数万年もほぼ無害化するまで管理する段階におけるエネルギーの使用量は莫大なので、電事連も「原発による電力はクリーンなエネルギー」という言い方は止めている程です。
 
 委員たちに指摘されたとおり、原発を推進したいがためのあまりにも前のめりな事務局の提案といえます。
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温暖化対策:経産省「原発不可欠」 審議会委が批判次々
毎日新聞 2015年01月09日  
 原発の安全性向上などを議論する経済産業省の審議会の8日の会合で、2050年の目標として原発を「世界の地球温暖化対策に不可欠」と位置づける事務局案を同省が示したところ、委員から「国民の視点に立っていない」などと批判が相次ぎ、案を作り直すことになった。原発利用拡大を図りたい経産省の姿勢に待ったがかかった。
 
 この審議会では、原発の安全技術や人材育成の目標を定めたロードマップを5月までに策定する。経産省は日本原子力学会に協力を求め、20年、30年、50年の目標案をこの日の会合で示した。
 案では、50年の原発の姿として「世界の地球温暖化対策に不可欠なゼロエミッション(無排出)電源として重要なオプション(選択肢)となることを目指す」とした。
 しかし、複数の委員から「原子力関係者が『あるべき姿』として作っているとしか見えない」「50年もこれだけ前のめりに原子力を使うのが大前提なのか」などと批判が続出。経産省の担当者は「5月までに再検討する」と釈明した。【酒造唯】