福島民友 2016年02月18日
衆院予算委員会は17日、郡山市で2016(平成28)年度予算案に関する地方公聴会を開いた。本県関係の代表者4人が意見を述べ、東京電力福島第1原発事故から丸5年を前に、根強い風評被害の払拭(ふっしょく)や廃炉の加速、地元産業への支援などを求める声が相次いだ。
渡辺博美県商工会議所連合会長、山崎捷子ホテルニューパレス会長、山名元原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長、斎藤富春ふくしま復興共同センター代表委員の4人が意見陳述し、真山祐一(公明・比例東北)小熊慎司(改革結集の会・福島4区)の両衆院議員ら各会派の代表が質疑した。
渡辺会長は産業振興策について言及。「道路整備は観光や産業など大きな復興の力になる」とし「交通インフラの整備をお願いしたい」と訴えた。山崎会長は風評被害について指摘。「本腰を入れて風評被害対策に取り組んでほしい」と訴えた。「男女問わず育児休暇を取得できる環境づくりが必要」とした。
山名氏は「原発廃炉は数十年にわたると予想され、地域との信頼関係は不可欠。地域の声に耳を傾けることが大事だ」と強調した。斎藤氏は損害賠償をめぐり地域間格差が生じていることに触れ、「請求を拒否するなど、東電の対応は理不尽」と実態に即した対応を求めた。地方公聴会は予算案の採決に先立って開催し、郡山市のほか、高松市でも開かれた。本県での開催は13年以来3年ぶり。