「さよなら原発ヒロシマの会」の総会が7日おこなわれ、大島堅一 立命館大教授が「経済から見る原子力発電」と題して講演しました。
大島教授は原発のコストに関する第一人者で、数々の情報を発信し大佛次郎論壇賞を受賞した著書も上梓しています。
講演で同教授は「事故リスクやコストを考えると原発をなくす方が合理的だ」と話しました。
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「原発廃止が合理的」事故費用でコスト膨大
大島・立命大教授が経済面から指摘
毎日新聞2016年2月8日
東日本大震災から5年を前に、「さよなら原発ヒロシマの会」の総会が7日、広島市中区であった。立命館大国際関係学部の大島堅一教授が「経済から見る原子力発電」と題して講演し、事故リスクやコストを考えると「原発をなくす方が合理的だ」と話した。【高橋咲子】
大島教授は原発を経済面から約20年間にわたり研究。著書「原発のコスト エネルギー転換への視点」(岩波新書)は2012年に大佛次郎論壇賞を受賞している。
講演では、
原発コストは安い
再稼働させないと経済がだめになる
再稼働させないと電気料金が上がる
−−など、原発に関する「経済神話」をデータを用いて一つずつ検証。発電コストだけでなく、事故費用や立地対策費といった社会的費用を含めるとコストは膨大になると述べた。
東京電力福島第1発電所の事故費用については、現時点で約12兆億円に上っており、本来なら東電の破綻は避けられないにもかからわず、国は原子力損害賠償・廃炉等支援機構を通じて「上限を設けず、何度でも援助する」(11年の閣議決定)仕組みを設けて支援。その費用は国民の税金や消費者が払う電力料金でまかなっている−−と、チャート図を見せながら解説した。
電気料金の値上げについては、関西電力を例に挙げて説明し、脱原発にすれば維持費が不要になるのに、選択肢として挙げていないと指摘。「控えめに言っても、再稼働すれば安くなるとか、原発をゼロにすれば高くなるとか単純には言えない。国民負担まで入れて考えるべきだ」と話した。