河北新報 2016年2月11日
東京電力福島第1原発事故で、伊達市月舘町の布田、御代田両地区の住民368世帯1114人が10日、東電に1人月10万円の慰謝料の支払いを求め、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた。請求総額は約65億7000万円に上る。月舘町では昨年10月、417世帯1277人が同様の申し立てをしている。
両地区は全村避難する飯舘村や、2014年2月に東電とADRの和解が成立した伊達市霊山町小国地区と隣接する。
申立人によると、水道水は水源が13年10月に変更されるまで飯舘村に近い場所から取水。一時、摂取が制限された。イノシシなどによる農作物被害が増え、子どもの減少でコミュニティーの維持が困難になった。
申立人代表の農業関根敏晴さん(75)は「飯舘村などと同様、さまざまな精神的な苦痛を受けた。窮状に見合った回答を出してもらいたい」と話した。