2016年2月29日月曜日

南相馬で大型園芸施設が起工 水耕栽培ハウスや出荷所

 南相馬市が福島原発事故で被害を受けた農業の再生を目指して進める大型園芸施設整備事業建設工事の安全祈願祭起工式27行われました。
 同事業は東京ドーム約1個分に当たる約4万5千平方メートルの敷地に水耕栽培のハウスなどを造るもので、小ネギ、レタスの一種「カキチシャ」を作る葉菜類生産施設3棟と、トマトを作る果菜類生産施設2棟、それに育苗施設、集出荷作業所、管理事務所などを設けます
 
 水耕栽培はスポンジ状のウレタン培地に種を植えたものを浅い水槽に設置して、そこに養分を含んだ水を循環させて成長させるもので、土壌を全く用いずに水だけで栽培する方法です。
 ハウスの屋根は日光を透す素材で作るので寒冷期でも収穫ができ、結果的にホコリ等による汚染も防止することができるので、土壌の放射能汚染が懸念される土地で農耕を行おうとする場合に最も適す方法です。
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南相馬で大型園芸施設が起工 水耕栽培ハウスや出荷所
 福島民友 2016年02月28日
 南相馬市が東日本大震災、東京電力福島第1原発事故で被害を受けた農業の再生を目指して進める市大型園芸施設整備事業(同市鹿島区南海老)建設工事の安全祈願祭、起工式は27日、現地で行われた。
 同事業は東京ドーム約1個分に当たる約4万5千平方メートルの敷地に水耕栽培のハウスなどを造る。水耕栽培のハウスとして小ネギ、レタスの一種「カキチシャ」を作る葉菜類生産施設3棟、トマトを作る果菜類生産施設2棟を建設。ほかに育苗施設、集出荷作業所、管理事務所などを設ける。
 工期は11月末までの予定で、工事費は造成を含め約16億円。施設運営は同市の民間会社ひばり菜園が担う。
 
 安全祈願祭では桜井勝延市長ら市、施工、運営業者の関係者らが工事の安全を願った。起工式で桜井市長は「施設の整備は農業復興の出発点。南相馬産の安全な農産物の供給につなげていきたい」とあいさつした。
 
 
野菜栽培の拠点着工 農業再生へ被災者ら運営 南相馬鹿島南海老地区
福島民報 2016年2月28日
 東日本大震災の津波で被害を受けた南相馬市鹿島区南海老地区で27日、地域農業復興を目指した市の大型園芸施設の安全祈願祭と起工式が行われた。11月末ごろ完成する予定で、被災した農業者らが運営する。 
 敷地面積は約2万4616平方メートルで、小ネギ、トマト、カキチシャを温室内で水耕栽培する。国の復興交付金を活用し、約16億円を投じて市が整備する。被災した農業者らでつくる「ひばり菜園」が運営する。完成後は地元を中心に50~60人を雇用する予定だ。栽培した野菜は県内をはじめ、全国に出荷する予定という。施設は夏ごろから順次、稼働する。 
 安全祈願祭では関係者が玉串をささげて工事の安全を願った。起工式で桜井勝延市長は「南相馬から安全な農作物を供給していきたい」とあいさつした。 
 ひばり菜園の鎌田俊勝社長(50)は鹿島区で農業を営んでいたが、津波の被害で休業を余儀なくされた。起工式に臨み、「やっとスタートが切れる。地域農業の復興につなげていきたい」と感慨深げに語った。 
大型園芸施設の完成イメージ