2016年2月16日火曜日

16- 凍土壁は海側だけ先行して凍結 福島原発

 東電は15日、福島原発1~4号機を囲む形で建設した凍土遮水壁について、全周を囲うと建屋の高濃度汚染水の方が地下水位より高くなり、漏れる可能性が残るとして、当面は海側だけを凍結させ、状況を見極めながら残る山側の凍結も目指す方針を明らかにしました。
 
 東電側は地下水と汚染水の水位六十九個の水位計で監視し、地下水位の方が低くなりそうな場合は地中に水を注入したり、建屋の汚染水を素早く抜いたりすることで対応するということで、それで特に問題はないように思えます。
 しかし規制委は海側の凍結については納得したものの、全体の凍結に対しては慎重でOKを出さなかったということです。
 
 これまで福島原発の汚染水問題については、東電の説明を聞いても納得できないことがほとんどでした、今回は規制委が納得しないということなので、納得するまで十分に説明してほしいものです。
 
 今回の報道で分かったことは、凍土壁が完全に凍るまでには8か月も掛かるということです(当初は確か2週間ぐらいだといわれていました)。
 それでもしも完全に凍るものであるなら、今更一刻を争って冷却を開始する必要もないように思われます。
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福島第一原発 凍土壁、海側だけ先行「全周、汚染水漏れも」
 東京新聞 2016年2月15日
 東京電力は十五日、福島第一原発の建屋に流れ込む地下水を減らすため1~4号機を囲む形で建設した凍土遮水壁について、全周を囲うと建屋の高濃度汚染水の方が地下水位より高くなり、漏れる可能性が残るとして、当面は海側だけを凍結させ、状況を見極めながら残る山側の凍結も目指す方針を明らかにした。同日午前の原子力規制委員会の会合で示した。
 
 新たな方針だと、全て計画通りに進んだとしても、全体が凍って壁になるまで八カ月かかる見通し。東電は二〇一五年度内に凍結を完了させる目標を示していたが、不可能になった。
 
 凍土壁は、地中の配管に凍結液を流し、凍った土の壁で地下水をブロックする狙い。国費三百二十億円以上が投じられた。
 いつでも全体を凍結できる状態だが、規制委は不用意に地下水位を下げ、高濃度汚染水が漏れるリスクを懸念。東電に、確実に水位をコントロールできることを求めていた。
 会合で、東電側は地下水と汚染水の水位は六十九個の水位計で監視し、地下水位の方が低くなりそうな場合は、地中に水を注入したり、建屋の汚染水を素早く抜いたりする備えもしていると強調した。
 
 まず海側の建屋周囲六百九十メートルと山側の一部五十二メートルを凍結させて三カ月程度をかけて状況を確認問題がなければ山側の残り八百十六メートルについても、二段階で凍結させていく方針を示した。
 規制委は海側の凍結については納得したものの、全体の凍結に対しては慎重な姿勢を崩さなかった。三月早々にも、東電に正式な実施計画を出させて審査し、凍土遮水壁をどう運用するか決める
 
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