福島民友 2016年02月23日
(福島)県漁連は22日、いわき市で復興協議会を開き、本県沖で行っている試験操業の海域に、東京電力福島第1原発の半径10~20キロ圏を追加するとした案について、議論を来月に持ち越すことを決めた。
持ち越し理由として、震災の津波で流出したがれきで漁に支障が出る恐れがあることや、容認の是非について相馬双葉漁協が3月に再度協議することなどを挙げた。
圏内の海中がれきが手つかずになっていることについて、野崎哲県漁連会長が「水産庁に、がれきの撤去について操業に支障の出ない整備を働き掛けたい」とし、がれき撤去を要望する方針を示した。
県漁連は当初、コウナゴ漁が始まる3月にも海域拡大を決めたい意向だったが、野崎会長は会議終了後「3月中の実施は難しい」との見方を示した。
試験操業の海域拡大案をめぐっては、相双、いわき市の両漁協がそれぞれ今月の試験操業検討委員会で容認の是非を協議。相双漁協は、10~20キロ圏内のコウナゴが含む放射性セシウムの量を調査し、結果を踏まえた上で、再度協議することを決めていた。いわき市漁協は、圏内の追加は容認する一方で、海域での操業は行わないことにしている。