2016年2月14日日曜日

14- 復興政策が避難者に及ぼしている悩みや葛藤について議論

 福島原発事故で富岡町から避難する住民でつくるNPO11日、東京都内でシンポジウムを開きました。
 そこでは現行の復興政策により避難者に生じた悩みや葛藤などの住民の思いが反映されていないことや、自治体の復興計画が形式主義になっている問題等が指摘され、埋もれがちな避難者の声をくみ取り、政策に結びつけるべきだとの意見が相次ぎました
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復興政策が避難者に及ぼす影響について議論を交わす シンポジウム
河北新報 2016年2月12日
 東京電力福島第1原発事故で福島県富岡町から避難する住民でつくるNPO「とみおか子ども未来ネットワーク」(市村高志理事長)が11日、東京都内でシンポジウムを開いた。震災5年を前に、今の復興政策により避難者に生じた悩みや葛藤などから問題点を議論。埋もれがちな避難者の声をくみ取り、政策に結びつけるべきだとの意見が相次いだ。
 
 研究者、支援者、避難者ら110人が参加。パネル討論では「復興政策と避難当事者の想いとは」をテーマに、市村理事長ら5人が意見交換した。
 東京大大学院の金井利之教授(自治体行政学)は「国は除染やビル建設など具体的に形にしやすい事業は思い付くが、なかなか住民の思いは反映できていない」と指摘。礒野弥生東京経済大教授(行政法・環境法)は「自治体はすぐに復興計画策定を迫られ、金と計画という形に縛られる。災害復興は形式主義になっている」と問題点を論じた。
 
 タウンミーティング事業を通して町民と対話している市村理事長は「どうしていいか分からない状況で(復興を)進めなければいけない。行政も住民も一緒になって落ち着いて考えたい。今、ようやく震災のことを話す子どももいる」と丁寧な政策形成を訴えた。
 登壇者と聴衆によるワークショップも実施し、避難者の「未来予想図」の作成を通して問題意識を共有した。ネットワークは2012年に設立。町民の真の声を届けるため、全国で活動を続けている。