福島原発事故で埼玉県内に避難している福島県大熊町の人たちが、定期的に集まって交流しようと「埼玉・おおくま友の会」を結成し、16日、初めてのイベントとなる「お茶のみ会」を開きました。
約20人は3時間にわたってお茶や食事をしながら語り合い、和やかな雰囲気を楽しみました。
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福島原発事故5年 県内に避難の大熊町民が「友の会」結成
東京新聞 2016年2月17日
東日本大震災による福島第一原発事故で県内に避難している福島県大熊町の人たちが、定期的に集まって交流しようと「埼玉・おおくま友の会」=倉嶋要三会長(65)=を結成。十六日、初めてのイベントとなる「お茶のみ会」を鶴ケ島市わかばコミュニティールームで開いた。
参加者約二十人は三時間にわたってお茶や食事をしながら語り合い、和やかな雰囲気を楽しんだ。会は今後も日帰りバスツアーなどを企画して、避難している人たちの絆を深めるという。
大熊町によると、今月一日現在の避難者は約一万七百五十人で県外避難は二千五百八十人。埼玉県内では、茨城県の約四百六十人に次いで多い約四百人が避難生活を送っている。
「離れ離れになっている町民が交流できる場をつくろう」と有志が昨年十一月に友の会を発足させた。会長の倉嶋さんは「大熊は環境のいいところで、住民たちは何十年も絆を培ってきた。離れ離れの避難者が集まって、大熊を懐かしみ、希望を持てる場にしたい」と目的を話す。
初めて顔を合わせる人もいたお茶のみ会では、倉嶋さんが冒頭に「一人一人が主催者のつもりでつくっていく会にしたい。皆さんの意見を吸収して一人でも多く参加できる場にしたい」とあいさつした。
ふじみ野市で妻と避難生活を送る男性(65)は「自宅は雑草や庭木が伸びて近づくのも大変で、除染も手つかずの状態。とても帰れる状態ではない。大熊町民として集まれる場がほしかった」という。
終了後、倉嶋さんは「皆が和やかに会話できてよかった。今後はブルーベリー狩りや動物園など、子ども連れも参加できる日帰りツアーを企画したい」と話していた。 (中里宏)