原子力規制委員会は21日に行われた会合で、沸騰水型原発:東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)、東北電力女川2号機(宮城県)、中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)、日本原電東海第2原発(茨城県)の6基の新規制基準の適合性審査について、今後、耐震設計を重視して5社並行で審査を進めていく方針を示しました。
規制委は沸騰水型の年内合格は難しいとの見ています。
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耐震設計重視で審査 浜岡など沸騰水型原発 規制委方針
静岡新聞 2016年4月22日
原子力規制委員会は21日、都内で行われた会合で、中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)を含む5電力会社の原発6基の施設部分を対象にした新規制基準の適合性審査について、今後、耐震設計のテーマを重視して進める方針を示した。
6基はいずれも東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原発。4月の規制委で、5社並行で審査する方式が決まっている。同日の会合では、5社の担当者が出席し、東電を除く4社が論点ごとの審査開始時期を示した。
中電は7月上旬には、耐震設計をテーマにした審査に入ることが可能との見通しを示した。このほか、使用済み燃料乾式貯蔵施設の性能に関する妥当性の評価を9月中旬、津波の浸水対策の評価を10月以降とそれぞれ見通した。
規制委の更田豊志委員長代理は「耐震設計の部分に重点を置き、5社並行で審査を進めていく」と述べた。また、中国電力島根原発と日本原子力発電東海第2原発は、津波対策などについて審査に時間がかかるとの見方を示したが、浜岡原発と東北電力女川原発の耐震設計を除く施設部分は「時間を要する論点がない」と述べた。
規制委、東海第2重点審査へ 原電
茨城新聞 2016年4月22日
原子力規制委員会は21日、東海村白方の日本原子力発電(原電)東海第2原発など、東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型5原発の審査会合を開き、各原発の論点と進め方を議論した。この中で、原電は審査申請時に屋外に分散配置するとしていた電源車などを、一つの建屋内に保管する方式に変更したと報告。これと合わせ、非難燃ケーブルの防火対策など四つが東海第2個別の論点になると示した。規制委は5原発の審査を並行して進める一方、他原発より遅れている東海第2を重点的に進めるとの見通しを示した。
この日の会合で対象になったのは、東海第2のほか、東電柏崎刈羽6、7号機(新潟県)、東北電力女川2号機(宮城県)、中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)。会合後、規制委は沸騰水型の年内合格は難しいとの見方を示した。
原電は全電源喪失など重大事故の際に必要になる電源車やポンプ車などについて、審査申請時には国道245号を挟んだ原発敷地反対側に分散配置するとしていたが、敷地内に建屋を整備し1カ所集中保管に変更した。
14年6月の審査会合などで、規制委から避難する一般車両の渋滞などによる事故対応への影響を指摘され、原電は敷地内保管を検討。自然災害防護なども考慮し、建屋内への集中保管を選択したと説明した。
規制委の担当者は「設備は分散配置が原則。しっかり審査する」と述べた。
このほか原電は、非難燃ケーブルを防火シートで巻く対策や、東海第2独自の原子炉格納容器の有効性評価、津波が防潮堤を越えた場合のリスク評価の妥当性が論点になるとしている。
規制委の更田豊志委員長代理は「東海第2は先行4原発が済ませてない論点があるので、ある程度重点を置いて進める」と話した。 (高岡健作)