静岡新聞 2016年4月1日
静岡県が31日公表した中部電力浜岡原発(御前崎市佐倉)の重大事故を想定した広域避難計画に対し、浜岡原発の廃止や運転差し止めを求める訴訟の原告代理人からは非難の声が上がった。
静岡地裁で審理中の浜岡原発運転終了・廃止等請求訴訟弁護団は声明を発表し、「明白な『欠陥避難計画』により万一、浜岡原発が再稼働され、災害が複合的に発生した場合、想像できない規模の住民に被害が及ぶのは必然だ」と訴えた。
弁護団の鈴木敏弘代表は「県が想定する東名など幹線道路を利用した車両による避難は不可能だ。形式的に『避難計画』と称するものを作ったにすぎない」と指摘した。
東京高裁で控訴審が続く運転差し止め訴訟の代理人の河合弘之弁護士は「地震や津波、原発事故が相互に復旧を妨害し合う『原発震災』の恐ろしさを全く理解していない机上の空論だ。県は本当にこれで避難可能と思っているのか」と批判した。