2016年4月2日土曜日

原子力規制委 東海第2、審査加速へ 沸騰水型4原発と並行

 規制委は31日、沸騰水型炉(BWR)の安全審査を申請している原電など4社から、東海第2東北電力女川2号機、中部電力浜岡4号機、中国電力島根2号機の4原発の新基準適合審査への対応状況を聴取しましたこれまではBWRの審査のひな型を作るため、柏崎刈羽2基の審査を先行してきましたが、東電から耐震設計の資料準備に半年程度かかる見通しが示されたことから、審査の順位を見直すとしていました。
 
 規制委、原電東海第2原発の審査を、審査が先行する東京電力柏崎刈羽6、7号機など4原発と並行して進める方針を決めました。
 東海第2原発で過酷事故が起きた場合、56万人という国内最大数の人たちが避難する必要があります。
 いつもながらのことですが、それらの人たちが果たして迅速に避難できるのかどうかの問題が無視されたままで、書類審査だけが先行するということになりそうです。
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原子力規制委 東海第2、審査加速へ 沸騰水型4原発と並行
茨城新聞 2016年4月1日
原発の再稼働に向けた安全審査について、原子力規制委員会は31日、東海村白方の日本原子力発電(原電)東海第2原発の審査を、審査が先行する東京電力柏崎刈羽6、7号機(新潟県)など4原発と並行して進める方針を決めた。これまで東海第2は後発グループの一つとして審査が進められてきたが、今回の方針決定で審査の加速が予想される。
 
 規制委は同日、沸騰水型炉(BWR)の安全審査を申請している原電など4社から、東海第2のほか東北電力女川2号機(宮城県)、中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)の4原発の新規制基準適合審査への対応状況を聴取した。BWRは東電福島第1原発と同じ炉型。規制委はBWRの審査のひな型を作るため、柏崎刈羽2基の審査を先行してきたが、東電から耐震設計の資料準備に半年程度かかる見通しが示されたことから、審査の方針を見直すとしていた。
 
 原電側は、東海第2の審査が加速する見通しになったことから、資料の作成状況について「全体として70〜80%できている。先行して行われている審査の資料も見て、充実を図っている」とし、今後の審査に十分対応できると説明した。
 更田豊志委員長代理は、東海第2について「論点は多いが、筋が悪い(難しい)ものは見当たらない。一つ一つしっかり説明してもらえれば」と話した。
 
 規制委によると、これまでの柏崎刈羽2基の審査でBWRの審査のモデルケースができているとして、今後は各原発独自の課題や論点を中心に審査会合を開き、この審査と相違点がない事項は非公開のヒアリングなどで資料を確認して審査の効率化を図る。
 ただ、東海第2はこれまで原発施設に関する審査が5回にとどまり、4社より遅れているため個別の審査も行う方針。
 
 東海第2の安全審査をめぐっては、東海村議会が3月24日、審査を早急に行うことを国に求める意見書を賛成多数で可決。村商工会(照沼政直会長)からは同様の趣旨の請願が提出されていた。
 今回の規制委の方針について、原発推進派で村議会最大会派の代表を務める村上邦男議員は「意見書は規制委の判断を受け、村の将来を早く議論したいという趣旨。意見書に沿う形になったことは良いことだ」と審査の進展に期待を寄せた。
 一方、再稼働に反対する同村議会の阿部功志議員は「再稼働へ向けた材料がそろっていくようで危機感を感じる」と述べた上で、「審査は慎重に進められるべきだ」と指摘。避難計画が審査の対象外になっている点にも疑問を呈した。 (高岡健作、戸島大樹)