政府は10日、福島原発事故で福島県葛尾村に出ている避難指示を、一部地域を除き、6月12日に解除する方針について同県田村市で住民説明会を開きましたが、住民からは「解除は唐突すぎる」などの意見が出ました。
対策本部の後藤収副本部長は「解除時期は決定ではない」と強調しました。
それとは別に、全町避難が続く富岡町の「復興への集い2016」は9日、広野町中央体育館で開かれ、避難先から駆け付けた町民約660人が古里再生を誓いながら交流を深めました。
町が、帰還へ向けた意識を高める目的で毎年桜の開花シーズンに合わせて開催するもので、地元選出の岩城光英法相と丸川珠代環境相が祝辞を述べました。
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避難指示解除は唐突と葛尾村住民
政府が福島・田村市で説明会
東京新聞 2016年4月10日
政府の原子力災害現地対策本部は10日、福島第1原発事故で福島県葛尾村に出ている避難指示を、放射線量が高い一部地域を除き、6月12日に解除する方針を巡り、同県田村市で住民説明会を開いた。避難生活を送る住民からは「解除は唐突すぎる」などの意見が出た。
説明会は計2回開かれ、住民計約300人が出席した。政府の担当者は「除染は昨年12月までに一通り終え、生活インフラも整った。今後、個別的な相談にも対応していく」と説明。住民からは「解除の前に、医療機関の整備が先だ」「除染が不十分」などの意見が出た。対策本部の後藤収副本部長は「解除時期は決定ではない」と強調した。(共同)
富岡変わらぬ絆 広野で集い 町民660人交流
富岡の復興を願い乾杯する町民
福島民報 2016年4月10日
東日本大震災と東京電力福島第一原発事故により全町避難が続く富岡町の復興への集い2016は9日、広野町中央体育館で開かれ、避難先から駆け付けた町民約660人が古里再生を誓いながら交流を深めた。
町の主催。町民に古里への思いを共有する憩いの場を提供し、帰還へ向けた意識を高めるのが狙い。毎年桜の開花シーズンに合わせて開催している。
宮本皓一町長が復興に向けた町の取り組みを紹介した上で、「特例宿泊で明らかになった課題を抽出し、町内での生活環境の回復、充実を加速させたい」と決意を述べた。塚野芳美町議会議長、鈴木正晃副知事、岩城光英法相(参院本県選挙区)、丸川珠代環境相らが祝辞を述べた。双葉地方町村会長の馬場有浪江町長の発声で乾杯した。
川内村生まれで富岡町育ちのミュージシャン渡辺俊美さんのミニライブ、宮本町長、渡辺さん、大相撲玉ノ井部屋の巨東関、プロレスラーの宮本和志さんがトークショーを繰り広げた。ケーシー高峰さんが漫談で会場を沸かせ、歌手の普天間かおりさんのコンサートも催された。
集いに先立ち、参加者はバスで富岡町内を巡った。満開となった夜の森地区の桜を見学した他、岡内・曲田地区の復興拠点整備計画予定地などを訪れた。