2016年4月5日火曜日

住民帰還に向けて 葛尾村役場業務再開 浪江町バリケード撤去

 河北新報が全町村避難中の福島県葛尾村葛尾(かつらお)の現状をレポートしました。
 今春中の帰還開始を目指している全村避難中の福島県葛尾村は、1日、村内に全ての役場機能を戻しました。今後避難指示解除に向けた環境整備を加速するということです
 
 同じく全町避難中の浪江町も、1日、防犯目的で計約400カ所に設置していたゲートやバリケードの撤去を始めました。ゲートは全て同日に開放され、帰還困難区域を除く町内を自由に行き来できるようになりました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<全村避難> 葛尾村 村内で役場業務再開
  河北新報 2016年4月2日
 東京電力福島第1原発事故で全村避難する福島県葛尾村は1日、避難先の同県三春町から村内に全ての役場機能を戻し、本庁舎で業務を再開した。村は今春中の住民帰還開始を目指しており、避難指示解除に向けた環境整備を加速する。
 総務、住民生活、地域振興の3課を中心に職員50人態勢で業務を担う。新たに復興推進室を設け、中心拠点整備事業を進める。
 
 これまで役場機能があった三春町のプレハブ庁舎には支所機能を設置。集中して暮らす避難者に対する住民票発行など窓口業務を継続する。
 本庁舎であった辞令交付式で、松本允秀村長は「きょうを契機に、新しい農業の取り組みや畜産再生など計画事業をさらに前へ進めることが必要だ」と訓示。解除時期については記者団の質問に答え「5月か6月、そういった時期になると思う」と述べた。
 葛尾村は全村避難に伴い2011年4月に会津坂下町に役場機能を移し、同年7月に三春町に移転。15年4月、地域振興課のみ先行して村内の庁舎に戻した。
 
 
<全町避難> 浪江町 バリケード撤去開始
河北新報 2016年4月2日
 東京電力福島第1原発事故で全町避難が続く福島県浪江町は1日、防犯目的で計約400カ所に設置していたゲートやバリケードの撤去を始めた。ゲートは今後の撤去予定分を含め、全て同日に開放された状態となり、帰還困難区域を除く町内を自由に行き来できるようになった。
 
 ゲートは国道6号と114号から枝分かれする地点、バリケードは両国道沿いの住宅前などにあり、町は5月までに撤去を終える予定。ただ防犯面の不安は根強いため、町などは防犯カメラの増設やパトロールの強化で対応する。
 初日は午前0時にゲートの開放を開始。撤去は町役場前の県道などで実施され、作業員が柵を取り外してトラックに積み込んだ。
 ゲートなどは2013年4月の避難区域再編以降に設置され、うち15カ所で検問が行われていた。町はことし1月、撤去を決定。17年3月を目指す避難指示解除に向け、町民や復旧工事の作業員が立ち入りやすいようにする。
 住民の反応は複雑で、町内でガソリンスタンドを再開した渡辺良一さん(53)は「盗みが増えないか心配。夜間だけでもゲートを残してほしかった」と訴えた。双葉署浪江分庁舎の佐々木敏所長は「赤色灯などで警察の存在をアピールし、住民の不安解消に努めたい」と話した。