河北新報 2016年4月28日
福島県が沿岸海域で実施している魚介類の放射性セシウム濃度のモニタリング検査で、昨年4月から今年3月までの1年間、国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える検体はゼロだったことが27日、いわき市で開かれた県漁連組合長会議で報告された。県水産試験場は「今後も基準値を超える可能性は極めて低い」と説明している。
検査では昨年3月、705検体のうち1検体で140ベクレルが検出されたのを最後に、毎月ゼロを記録。昨年4月から今年3月までの8438検体のうち、不検出(検出限界値未満)が91.3%を占めている。今月も基準値超の検体はない。
検査は2011年4月から福島第1原発から20キロ圏も含む海域で行われ、基準値超の割合は11年39.8%、12年16.5%、13年3.7%、14年0.9%と低下。15年は1月と3月の計4検体だけで0.05%まで下がった。
県水産試験場の担当者は「今後、100ベクレルを超す可能性があるとすれば、大型や成長の遅い魚だが、その確率も低い。今年3月以降は50ベクレルを超える検体もなく、安全性はどんどん高まっている」と話した。