2016年9月22日木曜日

22- 主要国の原発事情

 産経新聞が主要国の原発事情を概説する記事を載せました。
 いま後発国では原発が拡大傾向にあるということですが、米・独・伊脱原発の動きがあります。英・仏は原発推進維持の方向です。
 高速増殖炉については、ロシアは昨年12月88万KWの実証炉の運転を開始し、フランスも2030年に実証炉の運転を開始する予定です。
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世界的に原発は拡大傾向、主要国にはばらつきも
産経新聞 2016年9月21日
 原発は世界的に拡大傾向にある。ただ主要国の原子力政策は、経済性やエネルギーの安全保障などの要因によりばらつきがある。米国や欧州の一部で脱原発の動きがある一方、英仏は原発推進を維持。他方でロシアや中国などでは成長産業の一つとして、高速増殖炉を含む原子力開発が積極的に進められている。
 
 世界最大の原発大国・米国は、シェールガス開発による天然ガスの価格低下で原発が経済優位性を失い、原発新設に向けた機運が後退した。またドイツやイタリアなどでは、東京電力福島第1原発事故を契機に脱原発が加速している。
 
 一方、英国は15日、フランス電力(EDF)が主導する原子力事業を承認した。中国企業の巨額出資が問題視されたが、約20年ぶりに原発新設に動いた形だ。また、フランスは今後も原子力の設備容量を維持するため、原発の新設を継続する方針だ。
 
 高速炉については、フランスやロシア、中国、韓国などの原発推進国が研究を続けている。
 ロシアは昨年12月、金属ナトリウムを冷却剤に使う88万キロワットの実証炉で送電を開始した。日本と同様に地下資源が少ないフランスも2030年ごろに実証炉「アストリッド(ASTRID)」の運転を開始する予定だ。
 
 これに対し英国やドイツは高速炉の運転経験はあるものの、経済性の観点から研究を中止している。米国は商用化を目指さず技術開発のみ続けており、先進国内でも対応が分かれている。