全域が避難区域となっている福島県富岡町で17日、夜間も含め自宅に長期滞在できる準備宿泊が始まりました。町は来年4月の一部帰還を目指しています。
現在準備宿泊に登録しているのは56世帯119人で、全対象の3860世帯9679人に対して、まだ世帯数で1・5%、人数で1・2%も過ぎません。
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原発避難の福島・富岡町の住民、帰還へ準備宿泊
日経新聞 2016年9月17日
東京電力福島第1原発事故で全域が避難区域となっている福島県富岡町で17日、住民の帰還に向けて夜間も含め自宅に長期滞在できる準備宿泊が始まった。期間は避難指示が解除されるまで。町は来年4月の一部帰還を目指している。
対象は比較的放射線量が低い居住制限区域と避難指示解除準備区域の計3860世帯9679人(7月12日現在)。放射線量が高い帰還困難区域の住民も、対象の2区域にある親戚や友人宅に滞在が可能。今月15日時点で56世帯119人が準備宿泊に登録している。
同県いわき市に避難している団体職員の猪狩憲一さん(47)は、傷んだ自宅を解体するために片付けをしていた。同県郡山市に避難する両親らと離れて暮らしており「落ち着いた気持ちにならない」と漏らした。自宅を建て替えた後、帰還する予定だ。
同県三春町に避難する渡辺博道さん(75)は「帰る所はここしかない」と話し、仮設住宅から持ってきた洋服を自宅に運んでいた。仮設暮らしで精神的に疲れたといい「自宅は気疲れしないから天国だ」と語った。〔共同〕