泉田知事の知事選出馬の撤回は、自民党と県庁の反泉田グループが新潟日報と結託して仕組んだ泉田氏追い落とし作戦によるものと見られています。県庁の反泉田グループが新潟日報に知事バッシングの資料を流したとされています。
日刊ゲンダイが泉田知事に「立候補撤回の真意を聞いた」とするインタビュー記事を載せました。
知事は、「新潟日報が事実に反し県民に誤解を与えかねないバッシング記事をずっと掲載し、県側が『訂正して欲しい』『適切な報道をして欲しい』と申し入れても、それは報道せずに申し入れ内容が正しいのか否かも伝えない。読者から『泉田知事 説明責任を果たせ』という投書が掲載された時も2日後に答えを届けたのに、半月以上もそれを載せてくれなかった」、それでは「県の主張を届けるのが難しいのではないか」ということから「撤退」を決断したと述べています。
普通メディアがある人物や事件を糾弾する場合、当事者から反論があった場合にはまずその反論を紹介し、もしもその中身に問題や矛盾があるならそれを指摘してさらに糾弾するという手続きを踏むものです。
それに対して新潟日報は一切それをしないで、ひたすら自分たちの筋書きに従って糾弾だけを続けたわけです。それでは反論されるとそこで糾弾の筋書きが挫折してしまうという極めて脆弱で間違った筋書き、虚偽の推測に立脚したでっち上げに過ぎないもの、ということになります。
またフェリー販売会社(韓国企業)と新潟日報の異様な関係を指摘するネット記事も、早い段階から出されていました。
いずれにしてもこのような不明朗極まる追い落とし工作に深く手を染めた新潟日報が、その汚名を雪げる日は容易には来ないことでしょう。
これまで優れた反原発の特集記事や連載記事を再三出してきたメディアであるだけに惜しまれます。
これまで優れた反原発の特集記事や連載記事を再三出してきたメディアであるだけに惜しまれます。
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なぜ不出馬? 泉田新潟県知事に立候補撤回の真意を聞いた
日刊ゲンダイ 2016年9月11日
29日に告示される新潟県知事選で、4選を目指していた泉田裕彦知事(53)が突然、不出馬を表明した。原子力政策に対して「モノ言う知事」はなぜ立候補を撤回したのか。泉田知事を直撃した。
――県知事選への出馬をなぜ、撤回したのですか。
事実に反する記事や県民に誤解を与えかねない記事が地元紙「新潟日報」にずっと載り、「訂正して欲しい」「適切な報道をして欲しい」と申し入れました。しかし、県から申し入れがあったことは報道されず、申し入れ内容が正しいのか否かも伝えない。あまりに回数が重なったので先月24日の定例会見で訂正を求めましたが、「異例の会見」と出ただけで、状況は変わらなかった。
「泉田知事 説明責任を果たせ」という読者の投書が掲載された時も2日後に答えをお届けしたのですが、半月以上載せてくれなかった。「県の主張を届けるのが難しいのではないか」ということから今回、「(知事選から)撤退」という決断をしました。
■地元紙の報道は「政治的な狙いも含んでいる」
――指摘されている「日本海横断航路」のフェリー購入問題は民間企業間の契約トラブルにすぎず、しかも県出資の海運会社の子会社に損害賠償を求めたフェリー販売会社・韓国企業は「ある県議会メンバーが関心を示している」「新潟日報が力になってくれる」とメールに書いていました。また出馬撤回で株価が上昇した東電は今年、新潟日報に5回も広告を出しています。
あるところから「『航路問題で泉田知事の首を取る』というプロジェクトが進んでいるようだが、現状どうですか」という取材の申し入れが(私に)ありました。ということになると、単なる報道の問題ではなくて、「政治的な狙いも含んだもの」と理解せざるを得ない。だからこそ、(県の反論が掲載されずに県民に)届かないのだと思いました。
――このまま一方的な報道が続くと、県にとって“本質的”なことが知事選で問われないことになると。
今回の県知事選は「原子力防災にどう向き合うのか」などを問うべきですが、私が出ると、航路問題ばかりに焦点が当たってしまう。これまでの福島原発事故の総括で、原子力防災でいくつもの穴があったことが分かっています。柏崎刈羽原発の5~30キロ圏には屋内退避をする住民が約44万人もいますが、「ヨウ素剤配布」「屋内退避時の余震リスク」「避難バスの運転手確保」などの問題が積み残しになっており、「原子力災害対策指針が妥当なのか」を議論することが知事選の争点です。ところが、私が出馬すると、「航路問題の県関与」を問う選挙になってしまう。「県民の健康、生命、安全、原子力防災など、本来、議論をするべきことが議論できる環境になって欲しい」ということが撤退の理由です。原子力防災の議論を引き継ぐ候補者が出ることを期待しています。(聞き手=ジャーナリスト・横田一)