原発再稼働を阻止してきた泉田裕彦知事が立候補しないことになった新潟県知事選の告示が29日に迫る中、市民グループなどが推す対抗馬について民進党が擁立に難色を示しています。
対抗馬に挙がっているのは医師で弁護士の米山隆一氏(49歳、民進党衆院新潟5区支部長)で、本人も出馬に意欲を示していて共産、社民、生活の野党3党は擁立に賛同しています。ところが当の民進党県連が『すでに自主投票を決めてしまった』からと拒否しました。
民進党はバックについてる連合が脱原発を拒否しているだけでなく、党員自身も原発容認派が大勢います。先の参院選の野党共闘でも「脱原発」は合意内容に含まれませんでした。今回もそれが知事選に於ける野党共闘を拒否する形になりました。
民進党の執行部でもそのことに何の違和感も持っていない筈です。情けない話です。
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新潟県知事選 民進党県連が“脱原発”野党共闘つぶしのア然
日刊ゲンダイ 2016年9月22日
「脱原発」のシンボルだった泉田裕彦知事(54)が立候補をドタキャンし、自公推薦の森民夫・前長岡市長(67)の無投票当選の可能性が出ている新潟県知事選。告示が29日(10月16日投開票)に迫る中、ようやく市民グループなどが推す対抗馬にメドがついてきたが、ナント民進党が擁立に難色を示し、“野党共闘つぶし”をしているというからア然だ。
「対抗馬に挙がっているのは医師で弁護士の米山隆一氏(49)。過去に国政に4度挑戦し、現在は民進党の衆院新潟5区の支部長ですが、県知事選出馬に意欲を示していて、共産、社民、生活の野党3党は擁立に賛同している。ところが当の民進党県連が『すでに自主投票を決めてしまった』からと拒否。米山さんは自らが所属する組織と対立するわけにいかず、困っている」(地元関係者)
市民グループと野党3党の正式要請にもかかわらず、民進党県連が米山氏擁立を拒むのは、「米山氏が旧民主ではなく旧維新系」「県連内に森派がいる」「連合新潟が森支持を決めた」などの理由が囁かれている。だが、森氏があっさり無投票当選してしまえば、「脱原発」は一切議論されないまま、東電柏崎刈羽原発の再稼働にゴーサインが出るのは確実。原子力ムラは万々歳だ。
対抗馬擁立を市民に呼びかけてきた新潟国際情報大学教授の佐々木寛氏がこう嘆く。
「米山さんの出馬に、民進党はもっと柔軟に対応して欲しい。原発はナショナルイシューです。争点を明確にして戦わなければ、民主主義の機能が果たせません。このままでは、『新潟には野党がいなかった』ということになってしまいます」
この知事選は新潟だけの問題ではない。原発再稼働が全国に一気に波及するかどうかの瀬戸際だ。民進党の県連が動かないなら、党本部が出て行って、しっかり野党の旗を立てるべきじゃないか。
衆院の東京と福岡のダブル補選の投開票日は10月23日で、新潟県知事選の翌週だ。補選のためにも、蓮舫新執行部は新潟で最初の仕事をしたらどうか。