原告264人に 28日、運転差し止め提訴 伊方原発
大分合同新聞 2016年9月26日
大分県内の住民有志が提訴に向けて準備を進めている四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の運転差し止め訴訟の原告は、264人になることが25日、住民側弁護団への取材で分かった。28日、大分地裁に訴状を提出する。伊方3号機は8月に再稼働したが、先行して審理が始まった仮処分申請など司法判断次第で運転が停止する可能性がある。住民側は「一日も早く止めたい」としている。
25日は弁護団のメンバーが原告数を取りまとめた。訴訟に向けて7月に発足した市民団体「伊方原発をとめる大分裁判の会」は当初、「原告100人以上」を目標に掲げて原告を募ったが、1カ月で突破。その後も増え続けた。弁護団は「県民の関心の高さを感じる」としており、同会は今後も一定数の原告が集まった段階で追加提訴する方針だ。
伊方原発を巡っては、大分、松山、広島の3地裁に3号機差し止めを求める仮処分が既に申し立てられており、松山と広島では訴訟も続いている。
いずれも四国電が最大650ガルとした基準地震動(耐震設計の目安となる地震の揺れ)の評価などが主な争点となっている。住民側は原発近くの海域に国内最大級の活断層「中央構造線断層帯」が走っていることなどを踏まえ、650ガルは過小だと主張。「大地震で重大事故に至り、放射能被害が及ぶ危険がある」などとしている。四国電側は「安全性は十分確保されている」と全面的に争っている。