市民団体「原発からいのちとふるさとを守る新潟県民の会」が新潟知事選立候補予定者に送付した公開質問状についての森民夫氏(前長岡市長)の回答を公表しました。
公開質問状は原発問題に関するもので15の項目からなっていますが、森民夫氏は
「県民の安全と安心の確保を最優先にしていく。天然ガス発電所や太陽光発電などに本気で取り組み『自然エネルギー大県』を確立する」
と回答したのみで、個別には「回答を控える」としました。
会は「事実上の無回答と受け止めざるを得ない」として、森氏との公開面談を求めています。
一方、新潟市の篠田昭市長は9日の市議会で、柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡る一般質問に対して、「東京電力が原発に関わることは、現時点で県民の理解は得難い」と強調しました。また泉田裕彦知事が「福島原発事故の検証と総括がなければ再稼働は議論しない」と繰り返してきたことに対し、「今後の展望も示さず議論もしないことは、原子力災害対策を担う県内市町村への影響が大きい」と批判しました。
篠田市長は、8月31日に公表した泉田県政を検証する文書では、「再稼働について、今後の展望について言及していない」「原発は停止中でも地域にリスクがあり、抜本的な方向性を示すべきとの声も出ている」と指摘しましたが、それは原発を廃炉にせよと主張しないのはおかしいと言いたかったのでしょうか。
実質的に柏崎刈羽原発の再稼働を阻止してきた泉田知事の追い落としに積極的に参加した篠田市長が、いまさら「東電が原発に関わることは、現時点で県民の理解は得難い」などと議会で述べてみても、県民はただ鼻白むだけです。
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反原発団体の質問状 森氏が回答
新潟日報 2016年9月10日
原発に反対する市民団体「原発からいのちとふるさとを守る新潟県民の会」(和田光弘共同代表)は9日、知事選の立候補予定者に送付した原発問題に関する公開質問状について、前長岡市長の森民夫氏(67)の回答を公表した。
森氏は「県民の安全と安心の確保を最優先にしていく。天然ガス発電所や太陽光発電などに本気で取り組み『自然エネルギー大県』を確立する」と回答した。質問は15項目あったが、個別には「回答を控える」とした。
会は「事実上の無回答と受け止めざるを得ない」として、森氏との公開面談を求めている。5日までの回答を求めていたが、会によると7日に届いた。
東電の原発関与 「理解得難い」新潟・篠田市長が表明
新潟日報 2016年9月11日
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働問題を巡り、新潟市の篠田昭市長は9日の市議会9月定例会一般質問で、「東京電力が原発に関わることは、現時点で県民の理解は得難い」と強調した。また泉田裕彦知事が「福島第1原発事故の検証と総括がなければ再稼働は議論しない」と繰り返してきたことに対し、「原発の対応に大きな権限を持つ知事が、今後の展望も示さず議論もしないことは、原子力災害対策を担う県内市町村への影響が大きい」と批判した。
篠田市長は柏崎刈羽原発について「福島第1原発事故の当事者である東京電力が所有・管理しており、電力のほとんどが地元ではなく首都圏に送られていた」とした上で、「安全性もさることながら、発電所を運転する事業者の信頼・信用が最も大切だ」と指摘。
「世界一の原発基地である柏崎刈羽には世界一の安全が求められるはずだ」とし、「炉心溶融(メルトダウン)の認識がありながら5年にもわたり公表しなかった東京電力が今後、世界一の原発基地に関わることがあり得るのか。現時点において県民の理解は得難い」などと述べた。
柏崎刈羽原発への泉田知事の対応を巡り篠田市長は、8月31日に公表した泉田県政を検証する文書で、「再稼働について、今後の展望について言及していない」「原発は停止中でも地域にリスクがあり、抜本的な方向性を示すべきとの声も出ている」と指摘していた。