北朝鮮が核実験を行ったのを受けて、原子力規制庁が仮に大気中に放射性物質が一定量放出された場合にどのように拡散するかを、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム「SPEEDI」で予測した結果を公表しました。
規制庁は、この予測結果を自衛隊機による大気中のちりの収集を効率的に行うため防衛省に提供するとともにホームページで公表し、10日以降も予測を行うことにしています。
それはいいのですが、SPEEDIは信頼できないので避難の際に利用しないと決めたのはほかならぬ原子力規制委員会(規制庁はその事務部門)でした。そのときもSPEEDIのどこが信頼できないのかその具体的な説明はなく、なぜ高額の費用を投じて完成させたシステムを活用しないのか分かりませんでした。
それが場面が変わると今度はSPEEDIを活用して得られたデータを得々として発表し、防衛省にも提供するとは一体どういう神経なのでしょうか。
原発事故が起きたらとりあえず最初に決めておいた方向に住民は避難させることにして、それとは逆の方向に避難するのが正しいという情報を出す恐れのあるSPEEDIは使わないことにするというのが、本当の理由なのではないでしょうか。
この件についてはそうした規制委の不合理な決定を受け入れるのではなく、SPEEDIを活用する方向で識者らが再検討をすべきです。
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“放射性物質が仮に放出の場合” 原子力規制庁が拡散予測
NHK NEWS WEB 2016年9月9日
北朝鮮が核実験を行ったと発表したことを受けて、原子力規制庁は、仮に大気中に一定の放射性物質が放出された場合の広がりを予測した結果を公表しました。10日夕方の時点で、東北の西の日本海まで広がると予測されていますが、原子力規制庁は一般的に地下の核実験の場合、大気中に放射性物質が放出されることは想定されず、実際に観測されているわけではないことに注意してほしいとしています。
原子力規制庁は、午後7時前に臨時の記者会見を開きました。この中で、放射性物質の拡散を予測するシステム「SPEEDI」を使い、北朝鮮から仮に一定の放射性物質が放出された場合に広がる範囲を予測した結果を公表しました。
それによりますと、放射性物質が9日の午前9時から24時間連続で放出された場合、上空3000メートルまでの間で放射性ヨウ素やキセノンなどが10日午後6時にかけて東北の西の日本海まで達すると予測しています。
この予測結果について規制庁は、一般的に地下の核実験の場合、大気中に放射性物質が放出されることは想定されず、実際に放射性物質が観測されているわけではないことに注意してほしいとしています。
規制庁は、この予測結果を自衛隊機による大気中のちりの収集を効率的に行うため防衛省に提供するとともにホームページで公表し、10日以降も予測を行うことにしています。
また、全国300か所余りの観測施設で行っている各地の放射線量の値について、午後7時まで異常はなかったとしています。