<原発事故>除染事業者の法令違反率依然5割
河北新報 2016年9月23日
福島労働局は、東京電力福島第1原発事故後の対応に関わる事業者に対する今年上半期(1~6月)の監督指導の状況をまとめた。労働基準関係法令に違反した事業者の割合「違反率」は除染作業で53・6%、原発廃炉関連で44・9%に上った。
除染では対象506事業者のうち、271事業者に違反があった。違反率は昨年1年間の64・6%を下回った。違反件数は416件で、内訳は健康診断の報告関連62件、未払いを含む割増賃金関連52件など。
廃炉関連の対象は118事業者で、うち53事業者に違反があった。件数は94件で、割増賃金関連が17件と最も多かった。昨年1年間の違反率は54・0%。
労働局は2015年度の労働相談状況も公表した。除染関係の相談は2402件で調査を始めた12年(567件)から増加傾向が続く。中には「短い予告期間で解雇された」「暴言などのいじめを受けた」といった例もあった。労働局は「今後も再除染や帰還困難区域、山林での除染などが続く。法令順守の徹底に引き続き力を入れる」と説明した。