2018年8月3日金曜日

新潟知事「再稼働 安全最優先」 県の検証は9月半ばに再開すると

 東電の小早川智明社長が2日、花角英世新潟県知事と会談し知事は東電柏崎刈羽原発の再稼働について「安全最優先を行動と実績で示していただきたい」と伝えました。
 また会談後、東電の事故対応などの県独自の検証について9月半ばにも再開する考えを示し「検証が終わるまで(再稼働を)議論しない」と話しました。
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新潟知事「再稼働 安全最優先」 東電社長と就任後初会談
東京新聞 2018年8月2日
 東京電力の小早川智明社長が二日、新潟県庁を訪れ、花角(はなずみ)英世知事と会談した。六月に就任した知事が東電幹部と会談するのは初めて。知事は東電柏崎刈羽原発(同県柏崎市、刈羽村)の再稼働について「安全最優先を行動と実績で示していただきたい」と伝えた
 小早川氏は会談で「私が先頭に立って体制強化に努めていく」と述べた。
 
 知事選で与党の支持を受けて初当選した知事はこれまで、再稼働に慎重だった米山隆一前知事の路線を継承する意向を示している。会談後、前知事が力を入れていた東電の事故対応などの県独自の検証について九月半ばにも再開する考えを示し「検証が終わるまで(再稼働を)議論しない」と話した
 
 新潟県の検証では福島第一原発事故の原因、住民の健康と生活への影響、避難計画という三点を専門家が議論している。結論まで二、三年かかる見通し。
 
 一方、東電は、再稼働すれば数千億円規模で収益改善が期待された福島第二原発の廃炉方針を六月に表明。経営再建のため、五百億~一千百億円の収益改善が見込める柏崎刈羽の再稼働を目指している。
 原発が立地する柏崎市、刈羽村は基本的に再稼働を容認する構え。柏崎市の桜井雅浩市長は柏崎刈羽七基のうち、6、7号機の再稼働を認める条件として、1~5号機のいずれかの廃炉を求めている。
 
 今回の面会は東電側が申し入れ、経済産業省出身の山下隆一取締役らも出席した。 (伊藤弘喜)
 
 
東電社長、新潟新知事を訪問 事故検証に協力姿勢  
日経新聞 2018年8月2日
 東京電力ホールディングスの小早川智明社長は2日、新潟県庁を訪れ、6月に当選した花角英世知事と会談した。東電社長が花角知事と会ったのは初めて。同県の柏崎刈羽原子力発電所は昨年12月に6、7号機が国の安全審査に合格したが、花角知事は再稼働に慎重な姿勢を示す。独自に進める福島第1原発事故の検証作業が終わるまで再稼働の議論はないとしており、小早川社長も検証に協力する姿勢を示した。
 
 知事との会談には東電から柏崎刈羽原発の設楽親所長ら幹部4人も同席した。小早川社長は「再稼働については、県が進めている3つの検証が地元の理解を得るプロセスとして非常に重要」と述べ、「(作業に)最大限協力する」との意向を伝えた。これに対して花角知事は「(検証は)県民の理解促進にもつながると思う。しっかり進めたい」とした。
 
 柏崎刈羽原発の再稼働を巡っては、花角知事の前任の米山隆一知事が慎重姿勢を前面に掲げていた。米山前知事は、再稼働を議論するには福島第1原発事故の原因などに関して専門家による「3つの検証」が必要としていた。自民、公明両党が支持して当選した花角知事もこの路線を継承している。
 
 柏崎刈羽原発は合計7つの原子炉を持ち、1カ所での発電能力が世界最大の原発だ。東電は2017年5月に策定した経営再建計画で、6、7号機が遅くとも2021年度までに再稼働する試算を示している。
 午後には同県柏崎市・刈羽村を訪れ、桜井雅浩市長、品田宏夫村長とも会談する