2018年8月29日水曜日

太陽光発電優遇53万世帯終了へ 来年、買い取り価格大幅低下

 政府は0911月、住宅用太陽光の余剰電力10年間、1kwh当たり48円での買い取りを義務付け、それ以後の契約では段階的に価格を引き下げてきました。
 48円で契約した家庭・全体の22%に当たる53万世帯が、2019年に10年の買取期限を迎え、それ以後の買い取り価格は12円程度に落ちるという試算もあります。
 
 太陽光発電のコストは、いまや世界では1kw当たり10円を切るという趨勢にあるのでそれもやむをえないかもしれません。買い取り終了後の対応を明示することが求めらます。
 いずれにしても今後一般家庭での太陽光発電の普及にはブレーキがかかりそうです。
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太陽光発電優遇53万世帯終了へ 来年、買い取り価格大幅低下
東京新聞 2018年8月28日
 住宅用の太陽光発電を導入した家庭のうち、二〇一九年中に大手電力会社に電気を最も有利な固定価格で買い取ってもらえなくなる家庭が全体の22%に当たる五十三万世帯に上ることが二十七日、経済産業省資源エネルギー庁の調べで分かった。制度開始時に申し込んだ世帯が十年間の買い取り期限を迎えるためだ。改めて申し込めば大手電力は買い取りを続けるが、価格を大幅に下げる見通し。収入はピーク時の四分の一に落ち込むとの試算もあり、太陽光普及にブレーキがかかる可能性がある。
 
 政府は〇九年十一月、普及を後押しするため住宅用太陽光の余剰電力について大手電力に十年間、一キロワット時四十八円で買い取りを義務付け、段階的に引き下げてきた。固定価格で電気を買い取ってもらっている家庭は全体で二百四十万世帯。期限切れを迎える家庭は二三年までに累計で百六十五万世帯に達する見込みだ。今後も申し込みを受け付けるが、買い取り価格低下の影響で鈍化するのは必至だ。
 
 大手電力は期限切れ後の具体的な買い取り価格を提示していないが、一九年度の固定買い取り価格の二十四円を下回るのは確実な情勢だ。例えば、年間発電量が四千四百キロワット時の家庭が七割を売電すると、一キロワット時四十八円では年約十四万七千円の収入が見込めた。仮に買い取り価格が二十四円の半分程度に下がると収入は三万数千円に落ち込む。
 政府は三〇年度の再生エネルギーを22~24%とする目標を掲げる一方で、再生エネの買い取り費用の一部を電気料金に上乗せする国民負担の抑制も目指している。買い取り価格は引き上げない方針だ。
 
 家庭は期限終了後、余った電力を売るか使うかの選択を迫られる。余剰電力を売らず、蓄電設備や電気自動車(EV)のバッテリーにためて自家消費する方法もあるが、蓄電設備の導入には費用がかかる。
 経産省は今秋にもインターネット上で専用のページを立ち上げ、本格的に告知を始める。関係者は「制度が複雑で、どうすれば家庭に利益となるのかが分かりにくい」と指摘しており、買い取り終了後の対応を明示することが求められる