2018年8月6日月曜日

06- 三反園・鹿児島県知事就任2年 インタビュー

三反園知事就任2年「原子力防災に全力」
読売新聞 2018年08月06日
 7月に就任2年の節目を迎え、1期目を折り返した三反園知事が、読売新聞のインタビューに応じた。これまでの実績には財政健全化の取り組みなどを挙げ、懸案の原子力防災対策については「最重要課題で、全力で取り組む」と強調。鹿児島港本港区エリアの再開発の実現に向けて強い意欲を見せた。(聞き手・中村直人)
 
 ――就任2年の総括を。
 「『生まれて良かった、住んで良かった』という鹿児島をつくりたいと走り続けた。農林水産物の生産額が4700億円を突破するなど観光と農林水産の2大基幹産業は伸びてきている」
 「財政再建に努めたいと思い、(県債残高は)目標の1兆1000億円を切るくらいまでやってきた。子育て支援と高齢者支援に関しては2年連続、過去最高額を計上した」
 
 ――「対話の県政」を掲げて車座対話などに取り組んだ。手応えは。
 「現場の声を反映させることが政治。意見を交わすことによって、地域の中で何が求められているのかわかり、きめ細かな政策をつくることができる」
 
 ――九州電力川内原子力発電所(薩摩川内市)の運転や、原子力防災対策に関する考えについて。
 「(運転期間は)一貫して『原則40年』と述べている。今はそれがすべてで、(3号機増設を)進める状況にない。鹿児島の多様で豊かな自然を生かして再生可能エネルギーを推進することで原発に頼らない社会をつくりたい。一番大事なのは県民の安心安全。原子力防災対策は最重要課題だ。今後とも全力で取り組んでいく」
 
 ――残りの任期で力を入れたい分野は何か。
 「農林水産物の輸出も好調。いい流れをどんどん加速していくのが私の役目。観光面も本当にいいものがたくさんある。(鹿児島市の)ドルフィンポート跡地もそうだが、県内各地で、『来て見て感動するまちづくり』に取り組む」
 
 ――港湾政策、その中でも鹿児島港本港区の再開発については。
 「ドルフィンポート跡地は観光スポットとして整備したい。できれば市電とかを入れながらクルーズ船で着いた人たちに天文館を回遊してもらう。鹿児島の感動を感じて帰ってもらえるスポットにしていきたい。再開発がきれいに、うまくできれば鹿児島も変わる。残りの任期で実現できるように努力したい」